第5話 楽しい学級新聞
バスケをがんばり、学級新聞を月に1、2回発行する私はもう、クラスで浮いている存在ではなくなっていた。
クラスで流行っていることやおすすめの本を紹介したり、イラストを描いたりして楽しく新聞づくりをしていた。
そうして、同じ新聞委員のヒロ君とも名探偵ホームズのことで盛り上がれるようになっていた。
ヒロ君は、新聞委員になりたくてなったわけではなかった。
放送委員にジャンケンで負けて成れずに、仕方なく余っていたところに入っただけだった。
新聞づくりなんて興味なさそうにしていたのに、それでも委員長選の時には私に手を上げてくれた。結構いい奴だ。
だからなるべく、ヒロ君も楽しく新聞作りに携われるようにと、私はよく話し合ってみた。
結果、ヒロ君は名探偵ホームズの大ファンだと私は知った。
ホームズのことならいくられもしゃべれるのだ。
だから、新聞の三分の一を『ヒロ君のホームズコーナー』として任せた。
なかなか好評で、ヒロ君のホームズ布教は順調に進んでいた。
*
神野先生が担任になったことで、クラス全体が明るく少しお馬鹿になったことが、私が友達を増やせるようになった要因なのだろう。
神野先生は、新聞委員長選の一件以降、意外に私を評価してくれていた。
作文のコンクールや陸上大会の学校代表に選んでくれた。
成績は振るわなかったが、学校代表に選ばれると言うこと自体が誇らしい気持ちになったし、クラスメイトの前で褒められれば、一目置かれるようになる。
(最初は、ドン引きしたけれど神野先生はいい先生かも知れない)
そう思っていると、今日も朝からエレキとたて笛の合奏のエーデルワイスだ。
(前言撤回。これは、ホントに慣れないから……)
エレキギターとたて笛の奇妙な演奏。
しかし、その響きは日増しにそろってきた。
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