最強魔王様に取り憑かれた底辺ダンジョン配信者、無限の魔力でS級モンスターをワンパンして美少女配信者を救ったら、あまりにも強すぎると話題になり大バズりしてしまう。
#013 バズったことでクラスで話題になっちゃう白凪くん。
#013 バズったことでクラスで話題になっちゃう白凪くん。
いつもと変わらない学校。
いつもと変わらない教室。
いつもと変わらない一日が始まる、はずだった。
「ねぇねぇ、昨日の配信見たよ!」
「すごかったね、かっこよかったよ白凪君!」
しかし僕が教室についた瞬間、クラスメイトが僕のことを囲んで褒めちぎってくる。
「あ、ありがとう……」
初めての経験に戸惑いつつも、ちょっぴり嬉しかったりする不思議な感覚だ。
僕と同じく柚葉さんも数人のクラスメイトに囲まれていた。
「白凪君と付き合ってるって本当?」
「本当だよ、だって俺二人が一緒に登校してくるとこ見たもん!」
「クッソ俺たちのアイドルといい雰囲気になりやがって!」
「許さねぇぞ白凪ぃ! でも柚葉ちゃんを助けてくれてありがとなぁ!」
心なしか僕より大勢に囲まれている気がする。
言ってることもほとんどが僕への恨み節だからね。
「君たち、静かにしてくれないかな?」
そんなワイワイしている中に無理矢理割り込んでくる連中がいた。
江蘭君と、その取り巻きたちである。
「そんなしょうもない話題で盛り上がらなくても良いだろう?」
「いやいや江蘭君、昨日の配信見てなかったの?」
クラスメイトの皆が江蘭君に反論する。
「もうほんと白凪君がすごかったんだって!」
「動画もヤバいくらいバズってるんだよ!」
「もうどこもかしこも白凪君の話題でいっぱいで……」
騒ぎ立てる皆を江蘭君が心底腹立たしそうな顔で睨み、黙らせる。
「おい白凪ぃ!」
取り巻きの一人が僕の胸ぐらを掴んで捲し立ててきた。
「テメェちょっと話題になったくらいでチョーシ乗ってるんじゃねぇだろうな!」
「ちょ、乱暴はやめてよ……」
「口答えしてんじゃねぇ!」
激怒した取り巻きが拳を振り上げる。
いつものように殴られることを覚悟した、その時。
『気に食わんな』
無理矢理、魔王が僕と入れ替わって表に出てきた。
「俺の器ともあろうものが、こんなゴミに舐められて黙ってるんじゃない」
取り巻きの拳を掴んで、力づくで立場を逆転させる魔王。
『え、魔王勝手に出てこれるの!?』
「貴様の意思に反しない限りはな」
そのまま取り巻きを教室の隅に投げ飛ばした。
「貴様も悔しかったのだろう?」
『それは、そうだけど……』
だからって僕は必要以上に相手を傷つけるつもりはなかった。
当然、代わりに魔王に戦ってもらおうなんてこれっぽっちも……。
「白凪君の雰囲気が、変わった……」
「ね、なんか別人みたい……」
クラスの皆も僕の変化を不思議がり始めていた。
「白凪テメェ!」
「何しくさってくれとんのじゃ、ボケェ!」
残りの取り巻きが一斉に襲いかかってくる。
「来い、ガキども」
余裕たっぷりの表情のまま、取り巻きを一人残らずワンパンで気絶させていく魔王。
「多少は悪ぶっていても、所詮は子供。本物の”悪党”には遠く及ばんのだ」
残るは江蘭君ただ一人となった。
「こ……の……」
悔しそうな顔で魔王を睨みつける江蘭君。
「さぁ、貴様はどうする?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます