最強魔王様に取り憑かれた底辺ダンジョン配信者、無限の魔力でS級モンスターをワンパンして美少女配信者を救ったら、あまりにも強すぎると話題になり大バズりしてしまう。
#003 底辺配信者は美少女配信者とコラボする。
#003 底辺配信者は美少女配信者とコラボする。
僕は同じクラスの甘神さんに告白した。
「あの……その……甘神さんの……凄く、す……好きで……一緒に……」
緊張で声を震わせながら必死に言葉を放り出す。
だってそうなるに決まっているだろう!
目の前にいるのは絶世の美少女!
絶対に僕なんかと釣り合わないに決まっている!
こんな告白失敗するに決まっているんだ!
なのに甘神さんは素敵な笑顔で僕の顔を真っ直ぐ見つめている。
僕のおかしな挙動を気にも止めていない様子だ。
凄いよ、やっぱり彼女は本物の人気配信者だ。
もうわけが分からないけど謝ります、ごめんなさい。
「す、すみません……き、急にこんなこと言われても迷惑……ですよね?」
「いいですよ」
……え?
「……今なんて?」
聞き間違いだ。
当たり前だ、甘神さんが僕の告白にOKなんてしてくれるはずがない。
「だから、答えは”はい”。”YES”って意味です」
しかし僕のそんな考えに反するように、彼女は二つ返事でOKしてくれた。
マジですか?
こんな奇跡が起こっちゃっていいんですか?
僕みたいなダメ人間に?
青春という名の突風に激しく吹かれたような感覚に襲われる。
今まで彼女なんてできたこともない僕にとって、こんなに嬉しいことは他になかった。
自然と目から涙が溢れ出てくる。
「白凪君大丈夫?」
そんな僕の様子を見て心配してくれる甘神さん。
こんなに優しい彼女ができて僕は幸せ者だ。
「ごめんなさい、もう嬉しくって……」
「もう〜、コラボするってだけで白凪君大袈裟だよ」
それを聞いて僕は絶句する。
コラボってなんのこと?
「なんて言ってるかあまり聞き取れなかったけど、要するに私とコラボしたいってことだよね?」
違います、そんなことは言っていません!
「そういえば白凪君、まだダンジョンに入ったこともないんだよね?」
はい、僕みたいな小心者に一人で入る勇気があると思いますか?
モンスターとかトラップとか怖過ぎて無理です、死んでしまいます。
「でも私がしっかりリードしてあげるから大丈夫! 安心してついてきてね!」
妙に張り切った様子の甘神さん。
なんか、任せっきりにしてごめんなさい。
いやいや、そもそも僕にはコラボする気なんてこれっぽっちもないのですが?
「そうと決まれば、早速コラボの企画について考えよ〜!」
「お、おぉ……」
しかしここで断る勇気もなかった僕は、その場のノリに任せてコラボを了承してしまった。
「マジかよ! やりやがった! アイツやりやがったぞ畜生!」
陰から僕たちを見て、嫉妬の炎を燃やしている江蘭君たちの熱い視線を感じる。
これはこの後が怖いぞ、とほほ……。
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