第3話 登録ボーナスで狙え! 競輪アプリ!

 納はポイ活サイト経由で競輪アプリをインストールして起動を開始する。

「お! 競輪アプリのインストール終わったし、早速やってみるか! ん? これは?」

 納はある情報が目に入る。

「友達紹介キャンペーン? へー! これ招待で送るとポイント更にくれるみたいだぞ。 最大で十万円分のポイントくれるって」

 十万円という言葉に君男がピクっと反応する。

「お! 反応したね? これ招待するとガチャが引けてポイントくれるらしいぞ。 今スーパー招待キャンペーンってのやってて最低でも千円分以上くれるみたいだな」

 そこで納は君男に指を指して宣言する。

「つまり! このキャンペーンを受け取ると新規登録千円分と友達紹介キャンペーンので最低でも合計二千円分ができるのだー!」

 その言葉に君男がくれくれと手で合図を送る。

「ん? 欲しいって? もちろん送るぞ。 これでお互い無課金で一発当てようぜ……へっへっへ!」

 二人は悪い笑いを浮かべながらアプリを起動し、キャンぺ―ンに参加してガチャを引く。

「えーと。 今アプリの招待送ったぞ。 簡単な説明するとそのリンクから登録して年齢認証するとそのガチャ引けるってよ」

 そこで納がガチャを引く。

「さぁ! ガチャの時間だ! いくら来る~?」

 納は悪い笑顔を浮かべながらガチャを引く。

「くるか!? くるか!? 二千円来た――!」

 納は二千円で大喜びしている。

「で? 君男はどうなった? ふっふっふ! 軍資金はこれでできたぞ!」

 納は震えている君男に二千円の当たりガチャを見せびらかして君男に聞く。

「何を震えているのかね? ん? もしかして最低の千円を引いてしまったのかい? 貰えるんだからありがたく貰わないと~」

 君男は震えながらスマホを見せてくる。

「ん? スマホを見せてどうしたんだい? ガチャの結果なら口で言えば良いじゃないか~。 何をそんなに……え……十万円……」

 君男のスマホには十万円当たりのガチャ結果が出ていたのだ。

「とんでもないじゃないか! けど、それはあくまでそのアプリ専用の金だ! つまり! どれかの車券を買わないとその金額はゲットできないんだ! アプリでレース確認するぞー!」

 で、二人はレースを確認する。

「お! このレース当てたら倍率あるぞ! 全体の倍率が凄い! これいこうぜ!」

 君男もそれに頷く。

「よし! OKだな? ではいくぞー! ここで確実に当てないとねー」

 そう言いながら納はアプリを操作していく。

 君男もアプリを操作してお互いに専用金をレースに入れていく。

「レースに入れ終わったか? じゃあお互いにどれに入れたか見てみようか。 変更は無しだぞー!」

 そう言ってお互いにスマホを見せてどれに入れたか確認する。

「俺は倍率低いけど人気の高いところに突っ込んだわ。 確実に手に入れないといけないからな! 人気が高いって事は実力も高いって事だからな! 安心できる」

 納は誇らしげに話す。

「そっちはどう入れたんだい? ん? これって…全部入れてるじゃねえか! 確かにこれ確実に当たるけど大損するぞ! え? プレゼントで貰った専用の金のだから結果的に払戻金になるから得するって? ん……まぁ……確かにそうだが……」

 困惑する納に対して笑顔でいる君男。

「ま……まぁ確実に貰えて笑顔なれるのならそれで良いが。 これはレースだからな。 レースも楽しもうぜ。 このアプリ何気にライブ映像も映してくれるみたいだから一緒に見るか」

 納はアプリのライブ映像を映して、二人で見ていく。

「始まったぞー! さぁ! いけるか!? このまま! このまま! あ! やばい! 追い上げ凄い選手いる! まずいまずいまずい! どんどん抜いて行ってる! しかも追い上げて行ってる選手増えてる!? あ……ゴールなった……。 全部外した」

 納はガックリと肩を落として外したのを痛感していた。

「倍率はどうなってるんだ? これ相当高いような」

 納は君男を確認する。

 君男はこれを見てとスマホを納に見せる。

「ん? 全部入れたんだから当たってるんだろ? 何でそんなに震えているんだ? 倍率見ろって? え、これって……千百倍当たっとる」

 確認すると君男のとこにはしっかり当たってるという項目が出てる。

「これ四十四万円当たってるじゃないか! 凄いじゃないか!」

 そうすると君男が合図を送る。

「え? この当たった金額貸すって? いやいや! それは受け取れないよ! 自分で当てたのだろ? 俺は俺で当てて何とかするから」

 納がそう言うと君男が凄い睨んでくる。

 いいからこれ借りて今の生活楽にしろと圧をかけてくる。

「わ……分かったよ。 これ借りるよ。 ただ絶対返すからな! しっかり返すから待っとけよ!」

 そして納は君男から金を借りて今の生活を改善した。



 そこから一カ月が経った。

「金返しにきたぞー! しっかり用意してきたからな!」

 納がそう言って君男に金を返す。

 君男は驚いた様子でいる。

「お? 凄い驚いてるねー! どうやって用意したのかだって? 前にやってた競輪のアプリ覚えてるか?」

 納の問いに君男は頷く。

「あの競輪アプリなんだがログインボーナスとかミッション項目もあってそれをクリアして無課金で車券買える分まで稼いだのよ! 我ながらスゲェだろ!」

 納は誇らしげに話していく。

「そう! つまり! ミッションで稼いで金を稼いでレースに入れてコツコツ当てていたのだ! はーっはっはっは!」

 こうして納は言う通りに借りた金を返す事ができたのである。

 納はこれでこれで苦しい生活を免れたのであった。

 


 





 

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