第9話
キーンコーンカーンコーン
「皆座るのじゃ!授業を始めるぞ!」
鐘の音が学校中に響き渡り、チェスはいつも通り教壇の前に立ち、生徒に声をかける。
「今日は魔王誕生についての授業じゃ」
チェスは黒板にデカデカと魔王誕生と記載する。
「皆も知っていると思うが、昔魔王が誕生した際に当時の勇者達が命を賭けて封印したという話があるじゃろ。今日はその詳細について話そうと思う」
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昔、四カ国は国交もあり今とは違い仲は良好だった。
ある日、超国の一人の少年が魔界を行き来することできる能力をもっていた。少年はこの能力がバレてしまうと周りにいじめられると考え周りには亜空間に自身を隠す能力だと嘘をつき隠していた。
少年は物心がついた時に一度だけ能力を使って魔界に移動していた。その際に魔界にいる怪物達を目の前にして少年はすぐに人間界に戻るが、その光景を魔族の一人に見られてしまった。
少年は能力を一回使ったきりで怖くなり、ずっと使っていなかった。そんなある日少年が森でキノコを取りに行った際に盗賊に襲われることになる。少年は一回くらいならばと魔界に行く扉をだし魔界へ入ってしまった
すると目の前には魔王がいた。魔王はずっとお前を観察していたと話す。
「警戒心が高くなかなかに面倒くさかったがきてくれて良かった」
魔王は少年に手をかざすと少年の目は黒から赤色に変化した。少年は洗脳されてしまったのだ。
魔王は人間界に繋がる扉を開けるように少年に指示する。少年は黙って両手を前に出し扉を作る。それは少年が作っていた一人分の扉ではなく10メートルほどの大きな扉だった。
少年が魔王の命令で自身の命を削りながら扉を作ったのだ。魔物達が続々とその扉をくぐり人間界に向かっていく。
魔王自信も扉をくぐり人間界に入る。扉の前では多くの魔物と無惨に殺されてしまっている盗賊の姿があった。
「さぁ、魔物ども蹂躙の時間だ!全てを壊せ!!」
魔王が命令すると魔物達はすぐさま移動を始める。空や海を渡れるものは別の国へ行き、渡らないものはそのまま超国を襲う。
各国は協力しながら魔物達を倒していくが、魔物達の中で絶大な強さをもつ十魔天という魔王直下の魔族達に苦戦を強いられる。
魔王は十魔天よりも遥かに高い戦闘力を持っていて、各国は絶望的な状況であった。だがその強さ故に魔王の側には誰もおらず、勇者との一騎打ちの戦いまで持ち込む事ができた。
だが勇者の力を持ってしても魔王には手も足も出ず勇者はボロボロであったが、勇者にはその命を代償に使用できる封印術があった。
勇者は自身の命と引き換えに魔王を封印することができ、各国で暴れていた十魔天や魔物も消えていく。
水中深くに封印されることになり、魔王を封印した勇者の身体は発光した後、四つの宝玉となり勇者の姿は消え去ってしまう。
この際に出現した四つの宝玉は各国が一つずつ持っていて今もなお守られている。
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「以上が魔王誕生の物語じゃ。次は超国の東西戦争についての授業を行う。今日はこれで授業は終わりじゃ!」
キーンコーンカーンコーン
チェスが話し終えると同時に鐘の音が学校中に響き渡り生徒達が帰宅し始める。
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