第28話 わんだふるぱんすと!
――その時だった。
『何をしているのあなた達っ!』
それは突然だった。そして聞いた事のない声だった。無論、聴こえてきたのはモニターの中からなのだが――隣りで都が驚愕の表情を浮かべている。
「これは驚いたな。ダイコンよ、知っていると思うがこの世界には2種類の人間しかいない…………。それは尻からウンコしか出ない人間と、尻からオナラしか出ない人間だ」
そんな訳ないだろう。普通はどっちも出る。更に言えば尻から不安とか魂とか必殺技が出る奴だっている。――が。
「しかし彼女達は違う。彼女達はアイドルだからウンコもオナラもしない……そう。彼女達こそがパンストセイントだ」
「なにっ!?」
都の言葉に私はモニターを睨み付ける。確かにそこには前に聞いた通り、3人の美少女とふんどし姿の2人の
「いや、あのおっさん2人は明らかにウンコをするだろう?」
という私の呟きに都は静かに首を左右に振り。
「いや、彼等もアイドルの端くれ。ウンコをする事はない、だが代わりに良い香りがするピンク色のカワイイウンコをする」
「結局するのではないか!」
「ああ、インスタ映えするクソカワイイのをするらしい……ウンコだけに」
いや、それは恐らくインスタ映えではなくインスタ蝿だろう……ウンコだけに。
……とキリの良いところで話を本題に戻し。
「しかし戦隊ヒーローとは別のニチアサ組が何故ここに?」
呟くように零した私の疑問にやはり都。
「恐らくだが特番でもないのに現れたという事はたまたまた通りかかった――全メンバーが揃って居るところから山本さん家でゲリラライブをした帰りか、山本さん家でリモート葬儀をした帰りのどちらかだろう」
リモートならわざわざ山本さんの家まで行く必要ないだろう……というか行った時点でリモートではない!
……あ。いや今大事なのはそんな事ではなく。
「奴等はおかずファイブとは違い本当に強いんだな?」
という私の問いに都は。
「ああ、特に後ろのふんどし姿のおっさん2人は要注意だ。あの2人はスク水兄弟という双子なのだが、実は兄貴の『スク水きる男』の方はおかず戦隊ごはんですよのファーストシーズンでラスボスをしていたのだ。まあ厳密に言うと私の居た星でも有名だった悪党『メンズ・ブルマ』という宇宙人が乗り移っていたのだが、それを抜きにしてもスク水きる男の戦闘力は侮れん。それは弟であるスク水ぬぐ男の戦闘力からもわかる事だ」
なるほど。おかずファイブのバックであるごはんですよ……そのファーストシーズンのラスボスをやっていた奴ともなれば強さは折り紙付きという事か。そしてそいつらが今はパンストセイントにいる……? という事は――
「という事は、ふんどし姿の元ブルマのスク水兄弟がパンストになったと?」
「そうだ。もっと端的に言うとふんどしのブルマのスク水がパンストになったという事だ」
「まるで将棋だな?」
「な に が っ !」
っという都のツッコミが飛んできている中で、モニターの向こうからシコナが私に質問をしてくる。無論、その間にもパンストセイント達が我々の正体を探るため質問を飛ばしてきているが、こちらはリキがのらりくらりとはぐらかしているが――
『如何致すかダイコン殿? パンストセイント殿達は完全に我々を敵視しているようですが?』
まあ、それはシコナの言う通りだろう。同じニチアサ組のおかずファイブがボコボコにされているのだからな……しかし。
「シコナ。一応確認するが、おかずファイブの変身用ブレスレットの破壊は済んだのだな?」
『無論』
「おかずファイブの武器の破壊は?」
『破壊はしてないでござるが、ヨネ殿が全て没収したで候』
「紐だけで出来ている紐パンは?」
「それはただの紐でござる」
良し。
「ならばもう十分だ。目的は果たしたし無理にパンストセイントと戦う必要はない。いつでも帰還して良いが、最悪の場合はヨネの
『承知!』
無論、私の音声はリキとヨネにも届いている。なので今の会話を2人も当然聴いていたので3人は即座に行動を開始した。
そして3人がとった作戦とは――リキがシコナにバフをかけ、シコナが
そしてリキのバフ――攻撃力アップ(上半身のみ)、防御力アップ(上半身のみ)、身体能力アップ(全身)、精神力アップ(下半身のみ)、画力アップ(尻のみ)を一括で受けたシコナはパンストセイント5人を相手でもたった1人で簡単に持ち堪え、そしてあっさりとこの状況を切り抜け帰還した。
なので我々としては最後に邪魔が入ったものの、当初の目的であった「おかずファイブを
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