第25話 転生したら悪役令嬢の座布団だった件
という事で今度こそグレーちゃんのゲームをダウンロードした私は早速ゲームを始めてみる事に。
キリンちゃんと2人でワイワイしながらチュートリアルを消化して――いよいよガチャの時がやってきた。
このゲーム――チュートリアルをやっただけだけど、小豆ちゃんがハマったと言うだけあって中々に楽しい。
プレイヤーがパズルをするとそれに応じて味方のキャラが敵を攻撃。そうしてパズルをしながら敵を倒して進んでステージクリアとなる。つまりガチャでゲットしたキャラが強ければ強いほどゲームが快適になるワケなんだけど――。本腰いれて遊ぶならこの最初の無料10連ガチャは結構大事になるな……。
と密かに気合いを入れていると横からキリンちゃん。
「よしつみれ。どうせなら僕と5回ずつ引かない?」
「お、いいね。いいの当ててよキリンちゃん」
「お任せ、お任せ」
小動物なりに胸を張っているキリンちゃんだけど、ガチャってこういうのも醍醐味の一つだよね。
と考えているとキリンちゃんがグレーちゃんと小豆ちゃんに向かって。
「ガチャって何か確定演出ある? この演出入ったら最高レアのキャラ確定みたいな?」
と2人に質問すれば答えたのは小豆ちゃん。
「あるぞ。確定演出はガチャを引いた時にガチャマシーンの後ろの空に虹が掛かったら星5のSRキャラが確定だ」
「オッケー! じゃあ虹が出れば激アツって事だね」
「あ、それは違います」
と即座に否定したのはグレーちゃん。
「虹が出れば確定は確定ですけど期待大……まあ熱い程度です。1番の激アツは現環境トップの最強キャラが確定する演出があります。もちろん虹の演出でそのキャラが出る場合もありますが、激アツさで言えば最強キャラ確定演出ですね」
「へぇ〜そんなのがあるんだ? 因みに最強キャラ確定演出ってどんなの?」
「ガチャマシーンの後ろの虹の部分が虹じゃなくて豚足だったら最強キャラ確定です」
なんで豚足っ!
って声出そうかと思ったけど良く考えたらこのゲームの主人公ってグレーちゃんだった。
「って事は最強キャラって
これを言ったのはキリンちゃん。に対し。
「はい、私です。現状豚足1強と言われてるくらいの強キャラで、一言で言えば器用貧乏ならぬ器用大富豪……と呼ばれています」
器用大富豪……初めて聞いた。
「1人で火力も出せるし体力も高いのに回復も出来れば小回りも利く、更にご飯にする? お風呂にする? それともマッスル? の3拍子揃った最強キャラです」
今全部で7拍子くらいなかった? てゆーか後半筋肉芸人みたいになってたし!
でもまあ……待遇だけを考えれば主人公だしグレーちゃんの実力からしたら当然の
……と思っていたら。
「一応訊くけど他には? グレーが出なくてもこいつ当たれば勝ちみたいな……こいつ出ちゃえばリセマラする必要ないみたいなヤツいる?」
あーリセマラね……この手のゲームには付き物だよね。本腰入れて遊ぶなら最悪リセマラも視野に入れておかないと――となると、このキリンちゃんの質問は結構大事だったワケだけどグレーちゃんと小豆ちゃんの答えは?
「それならスカーレットお嬢様ですね」
『スカーレットお嬢様?』
グレーちゃんの答えに私とキリンちゃんが揃って首を捻っていると。
「スカーレットはグレーのゲームの悪役令嬢……つまりメインヒロインの事だな」
これは小豆ちゃん。
「そしてこのゲームのスカーレットはグレー程ではないが単体でも十分に強い。一言で言えば器用貧乏ではなく器用大名……と言われているな」
器用大名っ! お嬢様なのに殿様!?
「火力もあるし体力もある。回復も持っているしスキルの回転も速ければ、政治手腕にも優れていて石高もある」
さ、最後の方ただの大名になってない?
「まあそう教えられたので私はグレーとスカーレットが揃うまでリセマラした」
小豆ちゃんリセマラしたんだ……。
「じゃ、じゃあキリンちゃん。私達も一応グレーちゃんかスカーレットお嬢様のどっちか当てよう!」
「オーケーオーケー任せて。因みにスカーレットお嬢様は確定演出あったりするの?」
キリンちゃんの再びの質問にグレーちゃん。
「あります。ガチャマシーンの後ろの虹が虹じゃなくて『くつした』だったらお嬢様確定です」
「なんでくつしたっ!」
今度はさすがに声が出た。
「それはまぁお嬢様の名前が『スカーレット・靴ノ下』だからだと思います」
「お嬢様まさかの日本人! 本当に大名の娘とかっ!?」
じゃあなに? 元のゲームはくつしたが豚足を保護するんじゃなくて豚足がくつしたを保護するゲームだったって事? 名前逆にするべきだったんじゃない?
……とまあこのゲームのナンバー1と2がなんとなく理解出来たところで私とキリンちゃんはようやくガチャを引く事となった。
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