第3話
「つうか、何してるんだ?御堂。座れ」
睨み合う二人に割り込んだのは円堂だった。
伊織は慌てて、椅子を引く。さっと席に座った。隣で柊もつんと澄まして顔をしていた。
「つうか、ホームルームは終わりだ。授業始めるぞ」
先程とは打って変わって円堂は神妙な面持ちで、話し始めた。
「それじゃあ新夜、先週の続き、教科書のニ十頁から読んでくれ」
「うっす」
新夜は教科書に視線を落とし、読み上げる。
「えーと、アメリゴ合州国は遠隔透視実験者に普通の人と比べて、大脳の一部に肥大化、活性化がある事を発見しました。この領野は靈脳皮質、通称「レイヤー」と呼ばれ、脳の脳を繋ぐ
「今の所は小テストに出るぞ」
円堂は黒板に
「このように、
━━━━━━━━━━━━━━━
───────────────
界層 化身
───────────────
概念界(念氣圏)→
(靈離圏)→
───────────────
星相界(星層圏)→
───────────────
───────────────
物相界(
───────────────
━━━━━━━━━━━━━━━
円堂は黒板に簡易図を書き綴った。
「これが、
円堂はパッパッと
「で、だ。
伊織は耳を欹てる。何処となく憂いを帯びた表情だ。
(
つらつらと考えに浸っていると、円堂の言葉で意識が引き戻された。
「では主に運動神経を遠隔・拡張する
「
指名された有栖川は、立ち上がると、間延びした口調で答えた。
やや垂れ気味の二重瞼。アヒル口の口元から八重歯が覗く。小柄で華奢。色白で庇護欲を唆る小動物系の少女だ。
「そうだな。この三系統は、能力二因子説に基づき、遺伝的に備わる生得的な
円堂はたちどころに言葉を継いだ。
「では大脳皮質の連合野のように、様々な能力を複合し、より高度な脳の機能を拡張する
「はい、
ピンと背筋をのばして、背中のポニーテールが垂れ下がる。やや吊り目気味の瞳。やや太めだが、整えられた眉毛。背の高い凛とした印象の女生徒だ。
「此等三つの系統と
一呼吸おいて円堂の話は続く。
「また四大系統は、五つの
円堂は
━━━━━━━━━━━━━━━
□:
〻:
○:
☆:
+:
━━━━━━━━━━━━━━━
「これが
と
━━━━━━━━━━━━━━━
1:
能力類型:
能力者名:
魂源色相:
知能適性:身体・運動知能
能力類型:
能力者名:
魂源色相:
知能適性:対人的知能
2:
能力類型:
能力者名:
魂源色相:
知能適性:論理・数学的知能
能力類型:
能力者名:
魂源色相:
知能適性:博物的知能
3:
能力類型:
能力者名:
魂源色相:
知能適性:言語・語学知能
能力類型:
能力者名:
魂源色相:
知能適性:靈性・実在知能
━━━━━━━━━━━━━━━
円堂は書き終えると
「
円堂は徐ろに懐から透明な
これは靈念波の
━━━━━━━━━━━━━━━
紫↔青↔緑↔黄↔橙↔赤
━━━━━━━━━━━━━━━
「つうか先生は橙が強いからメインの系統は、
「ではその
━━━━━━━━━━━━━━━
4:
能力類型:
能力者名:
魂源色相:
知能適性:視覚・空間的知能
能力類型:
能力者名:
魂源色相:
知能適性:内省的知能
能力類型:
能力者名:
魂源色相:
知能適性:芸術的知能(音楽的知能)
━━━━━━━━━━━━━━━
「これが
延々と続く話に伊織は段々眠くなって来た。昨日、緊張と不安で眠れなかったせいもあるだろう。
(ヤバっ)
瞼が徐々に降りて来て──
「更に
「例えばいわゆる
「──」
うつらうつらと船を漕ぎながら、伊織はそっと意識を手放し──
………………
…………
………
……
…
パンドラXハンドラ @ninxnin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。パンドラXハンドラの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます