第5話 絶望のその先

 その日は慧人は何故か眠気が凄かった。それに、何故か体が痺れてきている。その異変に気がついた慧人はすぐに自分の時を戻そうとした。しかし、何故か魔法が発動しない。そして、その数秒後に謎の男達がレミアを襲った。男達はレミアの両手足を拘束し地面に押し倒す。そして、慧人の前に立った。


「っ!?何者……だ……!?」


「おうおう、お前が噂の時の魔術師か?こんなところで不用心だな。それに、こんな女を連れて……ヒヒッ!良い女だなぁ!」


「お前……ら!こんな真夜中に襲いやがって……!っ!?」


 その時、男達のリーダー的存在の男は慧人を蹴り飛ばした。


「慧人!大丈夫!?」


 レミアは蹴り飛ばされ倒れた慧人を心配して声をかける。しかし、男は言った。


「へっ!人の心配なんかしてて大丈夫かよ?自分の心配をしろよなぁ」


 男はそう言ってレミアの体をじっとりと舐めまわすように眺める。そして、レミアのある部分に目をやった。


 それは、女性にとって最も大切な場所。そこを弄られればレミアは女性としての尊厳すらも失ってしまう所。


 男達はニヤリと笑うとレミアの服を全てビリビリに破きその綺麗な素肌を丸見えにさせた。そして、両手足を拘束しながら両足を開かせる。


「っ!?や、やめて……!お願い……!」


「あぁ?やめてくださいだろ?まぁ、そんなこと言われてもやめねぇけどなぁ!」


「やめろ!殺されたいのか!?」


 慧人は男達にそう言った。すると男はナイフを取りだし言う。


「あ?そんな体で俺達を殺すか?バカにするなよな!」


 そう怒鳴って慧人の右胸にナイフを投げ突き刺す。そのせいで慧人は右胸から大量の血が吹き出した。


「グフッ……!」


 慧人は毒を盛られた挙句ナイフで突き刺され全身に力が入らなくなる。そのせいで何も出来なくなる。


「や……やだぁ……!み、見ないでぇ!」


 レミアはそう叫んだ。そして、男達はそんなレミアを嘲笑いながらその純白な体と心をぐちゃぐちゃに汚してしまった。


 慧人は目の前で犯されていくレミアを見て絶望する。そして、心の底からこの目の前の男を殺したいと思った。しかし、体が動かない。慧人は自分の無力を恨みながら意識を失った。


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━それから何時間経ったのか分からない。だが、慧人は目を覚ましてしまった。慧人は目を覚ますなりすぐにレミアの元へと向かう。すると、そこには散々に扱われて心を壊されたレミアが泣きながら倒れていた。


「……嘘……だろ……!」


 慧人はその姿を見て涙を流し絶望する。そして時間を戻そうとした。その時、レミアが口を開く。


「やめ……て……。殺し……て……」


 慧人はその言葉を聞いた瞬間に絶望した。あれだけ生きることを大切にしていたレミアが殺してと言ったのだ。生きたいと願っていたはずなのに、自ら死を求めてしまったのだ。


「嫌だ」


「……お願……い……!殺し……て……!」


 レミアは泣きながら懇願する。慧人はそんなレミアを見て大粒の涙を流した。そして、自分の無力を嘆き恨む。


 そして、手を振るえさせながら右胸に刺さるのナイフを抜き取ると、レミアの左胸……そう、心臓目掛けて突き刺した。

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