囁き・37

「なかなかエリムが見つからないわね」

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「イリア、本当にエリムはこの東京って都市にいるのかなぁ……しかし、この東京ってところは整然さが欠けて、煩雑なところだよ。不揃いで、それぞれが無駄に主張し合う高層ビル? 狭い道路? 統制のない様々なシステム……これが日本っていうこの国のだなんて、笑っちゃうね」


「私達の首都星しゅとせいエルメローナ・レスティアーナと比べても、しょうがないわリリア……これはこれで、最先端な都市の景色と制度なのだから。それと、私のかんではエリムは間違いなく、この東京のどこかにいるはずよ」


「まぁ、イリアのかんは恐ろしくあたるから、どこかにいるんだろうな? にしても、この秋葉原って街はどうなっているんだ? メイド服? なんてものを着てチラシ配ってる女性がいたり、やたら眼鏡? なんていう視力を補正する、遅れた技術のものを顔に装着して、背中にリュックを背負い、紙袋を手にしてる男どもが、やたらに多い変な街だなぁ?」


「ここは面白い場所ねリリア……私はこの雰囲気、好きよ。エターナリンク星系せいけい同盟連邦の惑星や都市にはない独特の文化ね。さっき、メイド喫茶? のチラシをもらったから、あとで行ってみましょうよ……」


「しかし、こんなところにエリムがいる訳ないよ。あの真面目なやつが、この街に来るかな? 銀座? 渋谷? ってところを捜索したほうがいいんじゃないかな? イリア」


「そのあたりはまた後日にしましょう……なんだかこの秋葉原って街が気にったわ……せっかく来たのだから、楽しみましょうリリア……まずはこのチラシのメイド喫茶に行きましょうか……。なんだか変わったお店の名前ね」


「まったく、イリアの物好ものずきが始まったよ……まぁ、しょうがない、そのメイド喫茶? ってのに行ってみるか……いてっ! 誰かとぶつかったか?」


「あ〜、ぶつかって申し訳ない。大丈夫? ってかあんた、と形の違うをしているな? この世界の新たな人種か?」


「もうリリアったら……大丈夫ですか? あらっ、確かにが特徴的なの女性ね?」


「えっ? で普通の耳に見えるはずなのに「あなたがたで二組目なんだよね」……そ、そう、ちょっとなに言ってるのかわからないけど、って、この世界にはないじゃないの? そうだよな、イリア」


「そうね……もしかして、あなたもこの世界の人間ではなく、ほかの世界から、なんらかの理由でこの世界に来た……という事かしら? 「バレたか……」やっぱりそうなのね……えっ? 人間ではなくっていうですって! そういえば、この街の看板にも、あなたと同じ耳をしたメイド姿の女の子がなんてポーズで描かれていたわ」


を開けたら、吸い込まれてさん? と一緒にこの世界に飛ばされてしまったのね。不思議な事が起こるものなのね……そう思わない、リリア……」


「あんたも苦労したんだなさん……えっ? それでおかねも、なにもかもされて、調子に乗って自身のを投稿していたら、で、になっちゃった? そして周りのにも迷惑をかけた? うん、よくわからないけど、この世界のルールも複雑なんだな……」


「これもなにかの……お友達になりませんか? どうする……イリア」


「そうね……この世界で、お知り合いを作る事にこした事はないわ……よろしくお願いしますね、さん……」


「私は姉の……」

「アーネ・イリア・クロイツェルン……」


「妹の……」

「アーネ・リリア・クロイツェルン……」


『よろしくね……』


「これからお友達ので女子会があるから、これで失礼しようかな? そう……だってさ、イリア……」


「そう……ご一緒にメイド喫茶にでもと思ったのだけれど、仕方がないわ……またお会いしましょう……さようなら」


「また100年後に会うかもね……? うん、ちょっとわかんないけど、またねさん」




「この世界での初めての友人ねリリア……」


「アドレスも交換したし、今度この国で流行っているってのをしてみるか、イリア」


「そうね……楽しみね……それじゃぁ、メイド喫茶で私達も癒されに行きましょうか……」


「なんだかなんて食べ物に、メイドが「おいしくな〜れ♡萌え萌えキュン♡」とか言って、ケチャップで絵を描いてくれるらしいじゃないか……どんなものなのか楽しみだなイリア……」


「本当に楽しみだわ。私、この秋葉原って街にハマりそうよ……意外にエリムもこの街を気にってたりして……そう思わない、リリア」


「そのうち、この秋葉原でばったり再会……って事もあるかもしれないなイリア……それじゃぁ、この街を楽しむか……」


「そして再会したら、彼女ダメなところ……その耳元で……」




『『囁いて……ア・ゲ・ルの♡』』




 **********




 あら、遅かったわねさん……なんて、なかったでしょう。もうみんな集まっているわ……今日はも来ているのよ。なんだか楽しそうね……えっ? 新しいのお友達ができたですって? そう、よかったわね。


 今度、そのお友達のまじえて女子会ができるといいわね。


 さぁ、今日はみんな私の拠点でお泊まり女子会よ……。


 さあこの次も、この世界のダメなところ

 あなたのそばで……


 囁いて……ア・ゲ・ル♡

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