囁き・36
この世界はまだ原子力なんていう古めかしいエネルギー源に頼っているのね。
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その原子力っていうエネルギー供給源も、万能ではないと聞いているわよ。なんでも核のゴミという異物が残り、それを処理する技術が、確立されていないなんて、滑稽な
この国では、原子力発電所の稼働を抑制して、
メルティア・ジェネレーショナライズ・パワーリング・マティック・システムズ……。
この名称が、私達の世界のエネルギー供給源になるわ。
メルティアという、この世界でいうジェル状の物資を内包している、メルティア惑星が、エターナリンク
その中で最大のメルティア惑星が、メライオスね……あなた達の太陽の250倍の大きさね。そのメルティアの埋蔵量だけで、エターナリンク星系同盟連邦の加盟するすべての惑星のエネルギー供給を、エターナリンク・イヤーリスト・2億もの期間を
玉虫色に鈍く輝くメルティアも、そのままでは使えないから、採取船で採取して、精製プラントに送られるわ……そこでメルティアにベラスミネント光線……あなた達の世界で呼称されているガンマ線バーストと、ニュートリアライズ・レーザーをメルティアに照射して、固体に加工するのよ。
そうして固められたメルティアは、玉虫色から白く輝きを変えて、キューブ状の形で各所に供給されるわ。ちょうど1メートルの立方体をイメージして、車のパールホワイトみたいな光り
各所に供給されたメルティア・キューブは、ニュートリアライズ・レゾミナート・レーザーの超高温照射で燃焼・融解され、その時生まれる膨大な熱と気化エネルギーを巧みに加工して、私達に供給されて、私達の世界は成り立っているわ。この燃焼・融解方法、加工過程も、限られた者しか知らないらしいわ。
燃焼・融解された
メルティア・キューブ1個で、
メルティアの総埋蔵量は、エターナリンク・イヤーリスト・17億にもなると試算されているわ……今のところ精製効率が75パーセントだから、限りなく効率が上がれば、エターナリンク・イヤーリストも増えるという事ね。精製過程での残留物は気化してしまい、無害よ。
以前に、格安鉱石のアルカナメイル・ジルクスを紹介したけれど、いわばこれはメルティア・キューブの普及バージョンね。これもキューブ状に加工されて、私達に供給されて、パーソナル・シャトライナーなどの身近なものの動力源になっているわ。
このアルカナメイル・キューブは、あなた達の世界の角砂糖に色、大きさが酷似しているわ。
つまり、身近な身の回りのエネルギー供給はアルカナメイル・キューブを使用し、惑星維持やそのインフラ供給……強襲揚陸巡洋艦や惑星間航行船に、エターナリンク・ファイターと様々なコロニーなどのエネルギー供給には、メルティア・キューブを使用して、使いわけているのよ。
ちなみにメルティア・キューブの大きさは、1メートルの立方体のものと、その半分の大きさのものと、さらにその半分の大きさの3種類があり、用途に応じて使いわけがなされているわ。
それに比べ、この世界のエネルギー供給源は、原始的なものね。原子力、火力、地熱。風力、太陽光……どれも笑ってしまう技術と風習ね。
そして原子力には放射線・放射能という毒が残るという事ね。まぁ、あくまで人間にとっての毒なのよね。
なんだか可哀想に思えてくるわ……そういえば、私達の世界の超遺物に、放射能みたいなものを無害化する装置があったような……。
なんだか、そんな装置を一隻の戦艦で取りに行く……なんてアニメがあったわね。
そして、核融合発電という技術も、かなり遅れた技術ではあるのだけれど、この世界の人間達は、それに挑もうとしているのよね。
エルフさんやお弟子さんに、薬屋さんたちは、この世界のインフラに感動さえ、していたわね。彼女達にとって、安定的な電力や交通システムは、かなり進んだ科学技術に見えるのかしら。私には、不安定で遅れた科学技術に思えるのは、仕方のない事かもしれないわね。
あのアリスも、私達の世界を
はぁ、それにしても車って、ガソリンや軽油という液体をこまめに給油しないと、まともに走らないのよね。ハイブランドの赤い跳ね馬のスポーツカーを売却して、軽自動車にして、燃費効率はまだ、ましになったけれど……セルフ給油とか、面倒極まりないわね。今日は洗車は、なしよ。
それにしても、この国の人間達は洗車が好きね。パーソナル・シャトライナーだったら、汚れなんて一瞬で綺麗になるのに……。
ちょっと傷がついたくらいで、この世の終わりみたいに落ち込んで……滑稽だわ!
街の
さぁこの次も、この世界のダメなところ
あなたのそばで……
囁いて……ア・ゲ・ル♡
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「すいません……給油って、してもらえます? 初めてなので、よくわからなくて……」
「セルフ? ちょっとなに言っているのかわからないので、お願いできます? どうもありがとう……従業員さんが、給油してくれるそうよ、リリア……」
「なんだよ、この世界で速く美しいスタイリングの車って事で中古で買ったこの赤い跳ね馬のスポーツカーって、この東京では、たいして速くもないし、すぐガソリン? がなくなってしょうがないよ! イリア……」
「そうね……運転も窮屈だし、軽自動車っていう小さな車に乗り換えようかしら……えっ? 洗車? それって、なんなのかしら……?」
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