囁き・35
まったく、凄い人混みね……このテーマパークはいつもこうなのかしら……?
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あなた達の世界では、夢の国とか言って、なにもかもを忘れ去れる? 場所みたいね。
ディズニーランド、もしくはディズニーリゾートとも言うらしいわね。なんだか最近新しい施設が完成したから、前からこの夢の国に行きたがっていたエルフさんがうるさかったから、試しにエルフさんにお弟子さんと薬屋さんとで、この施設にやって来たわ。
アリスも
国民的なアイドルが、夢の国を否定して大丈夫なのかしら。
それにしても、もの凄い人ね。新しい施設のファンタジースプリングスの人気って凄いのね。この段階でもう軽く疲れてしまったわ。
やっと疲れるほど並んでディズニーシーに入場できたわ。でもファンタジースプリングスに入るには、パスが必要なのね。なんだか銀河鉄道的な権利を取得しないと新しいエリアに入場できないのね。
私はどうでもよかったのだけど、エルフさんと薬屋さんが、どうしてもファンタジースプリングスに入りたいって、
エルフさんは、新しいエリアに入れなかたっら、ゾルトラークですべてを破壊するなんて言ってお弟子さんに
それで、スタンバイパスやディズニー・プレミアムアクセスの両方に申し込んだけれど、どちらもダメだったみたいで諦めて普通にディズニーランドやディズニーシーを巡ろうとしたら、エルフさんの魔法で、ディズニー・プレミアムアクセスが取得できたわ。いったいどんな魔法を使ったのかしら。
しかし、この世界の人間は、こんな虚構世界に現実逃避するなんて、どういった精神構造をしているのかしら。
それだけ、この世界で生きてゆく事が辛く、困難という事なのね。
言うまでもないけれど、私達の世界に、このような現実逃避させる施設は、ないわよ。何度も説明しているけれど、すべての娯楽は、ほぼ脳内で体感・享受できるものだからよ。
確か古い世代に作られたここと似たような娯楽コロニーがあったけれど、次々と閉鎖されて、別の目的のコロニーに変わっているわね。
要は脳内で体感する事に慣れてしまったのね、私達は……。
行列もない、煩雑な工程もない世界で私は生きていたのね……。
それはいいのだけれど、3人とも、元いた世界の衣装を着てきたけれど、身バレしないのかしら? この国では大変な人気作品って聞いているわよ。
エルフさんは、その耳を目立たなくする認識阻害魔法をかけなくていいのかしら……まぁ、周りを見てると、コスプレ衣装で入場している人達も、たくさんいるから、心配ないかしら。
……って言ってるうちに、3人がたくさんの人達に囲まれて、撮影会が開かれているわ……なんだか各方面がピリつくかもしれないから、急いでこの場を離れるわよ。SNSに投稿された画像は、お弟子さんがきっと魔法ですべて削除してくれるわよね。
はぁ……なんだか3人の引率役になってしまったわ……まぁ、私もスター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニューを体感できて良かったわ……スペースマウンテンとキャプテンEOが既に閉鎖されていたのには少し落胆したわね。
今は帰りの車の中よ……夕方まではしゃぎ過ぎて3人とも寝ているわ……きっと彼女達の元いた世界には、このような娯楽施設は、ないのでしょうね。
軽自動車の広くないラゲッジスペースは。ぬいぐるみや、お菓子、グッズが満載よ。彼女達の気がまぎれてくれたのなら、いいのだけれど……。
実は、ファンタジースプリングスホテルを予約しようとしたのだけれど、デラックスタイプが1泊1室66000円から、ラグジュアリータイプが1泊1室341000円からの価格設定だったから、もったいなくて、日帰りを選択したわ。
夢の国に滞在するにも、とてつもない対価を支払うのね……。
もっと言えば、入場料やパス代にアトラクション料金や、飲食代やグッズ、お土産代で、数十万円は使ったわ……。
夢の国の現実逃避料金も、かなりエゲツないわね。
でも、あそこに限らず、一時の快楽を得る為に、この世界の人間たちは、法外な値段にも目を
同じく夢を売るアリスは、なんとなく虚構の真実を見透かしているのかもしれないわね……。
あの施設に限った事ではないけれど、虚構世界に身を預け、お
現実に戻ったこの世界の人間の行く末は……
感傷的になってしまったわ……甘いものでも買い足して、今日は3人と私の拠点でお泊まり会ね……アリスにも声をかけようかしら……やられてしまった3人を見て、超ウケる……とか言いそうね。
また赤信号……まったくこの国の交通インフラは……東京って言っておいて千葉にあるのよね……イラついてしまったわ……相当な糖分が必要ね……買ったお菓子を少しいただくわ。
……ごく、普通の味ね……。
これで、この価格……
商売
さぁこの次も、この世界のダメなところ
あなたのそばで……
囁いて……ア・ゲ・ル♡
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「リリア〜、こっちこっち……いい場所取れたわ〜……パレードが始まるわよ〜……♡」
「なんだその格好……イリア、はしゃぎ過ぎ」
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