囁き・34
アイドルも大変なのね……。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
この世界、特にこの国では、アイドルという職業が、男女問わず憧れの職種で、スカウトや、過酷なオーディションに、仕組まれた形など、様々なルートでこの職業に
個人で活動したり、
歌番組? なんてものが衰退をたどっているこの国でのアイドル活動は、どちらかというと、お笑い化傾向にあるわね。
それこそこの国の昭和という元号の時代には、多彩な歌番組や、ランキング番組に、アイドルを含む運動会や、水泳大会なんてのもあったり、寝起きを襲うドッキリ番組も、私もこの世界やこの国を知る為に観た事があるわ。
思わず、笑ってしまったわ。ドンドンパフパフ〜とか、鳴り物を鳴らして、いろんな競技に
男女のアイドルが一ヶ所に集められて、ホテルとかいう施設に泊まるのでしょう? アイドルに、あってはならない
それとセットで行われるのが、女性アイドルをターゲットにした寝起きドッキリという、現在の風潮では完全にアウトな企画をあたかもリアルに演じていたわね。
なぜか鍵を持ったリポーターが、部屋に侵入して、洗面所の歯ブラシで歯を磨いたり、
賢明な人なら、もうわかると思うけれど、このほとんどのドッキリはヤラセなんでしょう? あらかじめ打ち合わせ済みで、用意された歯ブラシや
らしく寝起きの演技で驚いて「おはようございます」なんて、おぼつかない口調で言って、大団円なのよね。メイクさんも大変ね。
考えてみて……なにも言わず、リアルに寝起きドッキリやって、アイドルの隣に異性が気持ち良さそうに寝てたら、
それはそれで面白いのかもしれないけれど、確実に闇に
そしてグローバル社会を
アイドルには異性という異物は、あってはならないものなのかしら? アイドルだって個であり、個と個の集合体なのだから、管理するなんて無理な
それで、これが海外になると、アイドルからアーティストや、セレブに昇格するのね。そして、自分はなんでもできる……自分の言う事は、なんでも聞いてくれる……なんて勘違いして、インタビューやライブに遅刻しても、それが当たり前だと天狗になって、なぜか情緒不安定になって、奇行にはしるのよね。
過剰にもてはやされると、この世界の人間達は、精神を病んでしまうのかしら。
私達の世界にも、歌手やアイドルみたいな活動をしている個も、いない事もないけれど、あくまで趣味の延長線にすぎないものなのよ。
この世界のように、
私達の場合は脳内でこれらの対象を創り出して楽しむ事ができるから、それをリンクさせて、脳内仮想空間世界で披露して、いわゆるアイドル活動を行っている個は、いるわね。
あなた達の世界で例えると、ヴァーチャル・アイドルというところかしら?
それにしてもこのドッキリや、水泳大会の映像を女子会で見せた時の、みんなの反応が面白かったわ。
エルフさんは「100年後に起きるかもね?」なんて言って、お弟子さんは「プライバシーの侵害ですね」と、いたって冷静だったわね。
薬屋さんは寝起きドッキリ映像を見るや
でも、3人とも水泳大会のグラビアアイドルの胸と、自分の胸元を見比べて「ちっ……!」って舌打ちしていたけれど、なにかあったのかしらね?
唯一、現役アイドルのアリスは、転がり返って笑っていたわ……「超ありえないって感じ♡男と一緒だったら超修羅場♡」とか「水泳大会とか、完全にコンプラに引っかかるって感じ♡ポロリ要員とか超アウトって感じじゃね♡」って床を叩いて大ウケしていたわね。
でも、ふと羨ましそうな表情を瞬間、見せていたけれど、この世界のアイドル活動は見た目ほど華やかではなく、楽しいものではないのかもしれないわね。
この世界も実体のアイドルから、ヴァーチャルのアイドルに乗り替わってゆく過程なのかしら? この国では二次元の彼女、彼ら達が早くから、もてはやされていたのだから……。
えっ? 彼女、可愛いですね……アイドルに興味はありませんか? ですって?
これが、噂に聞くスカウトという行為かしら? でも、私は騙されないわよ。
もっともらしい芸能事務所の名刺だけど、アダルトビデオ女優のスカウトなのよね……これは。
しかしこの世界は、まだこんな事で、互いに快楽を得ようとしているなんて……。
せっかくだけど、お断りよ……
甘いものを買って、拠点に帰って、ドキッ! 丸ごと水着・女だらけの水泳大会でも観るわ……。
さぁこの次も、この世界のダメなところ
あなたのそばで……
囁いて……ア・ゲ・ル♡
**********
「イリア〜……女優にならないかって声かけられた……」
「リリア……お断りして……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます