組織・極光雪原支部への各種報告書
以下は組織の極光雪原支部にあてられた各種報告書のまとめである。
あまりに字が汚いものは当方で清書した。急ぎの作業だったため、余計な誤字脱字があるかもしれない。
添付資料についてはそのまま提出した。特にカメラの活躍がいちじるしい。画期的な
▼スカウトからの報告 (報告責任者:久遠雫)
参加者の生死を確認した。
第一次攻撃隊は実参加者297名に対して戦死者294名。
生存者3名は企業勢力。鳥は参加者10名すべてが戦死した。
第二次・第三次攻撃隊は投入された全兵器が破壊された。
搭乗員は全員戦死。
残骸はすべて岩如翼による捕食を受けて再利用不可となった。
第四次攻撃隊は実参加者162名に対して戦死者146名。
参加した鳥は30名。15名が生存した。
鳥でない生存者1名は所属を判別できなかった。個人傭兵か。
遊撃隊を筆頭としたその他の鳥は、実参加者55名に対して戦死者8名。
戦死者はすべてイーターに対し長距離砲による攻撃を実施した者である。
本報告ではMIAを戦死として扱っている。イーターの攻撃により死体の識別が困難、ないし発見不能である事例が多発したため。
詳細な作戦結果報告および現場の画像については提出済み。
カメラはおおむね好評。
以上。
▼人事部からの報告 (報告者:小鳥遊小鳥)
支部で発生した問題に対し、次の通り対処しました。
・救急医療キット使用に関する再研修の実施
救急医療キットについて。大規模作戦のような高い負荷を受ける状況では適切に運用されていないようです。第四次攻撃隊の報告がこれを裏づけています。そこで旧来のものより高負荷を受ける新式の研修をすべての鳥に受講させます。一ヶ月で完了予定です。
・相続に関する混乱への対処
作戦行動中行方不明、いわゆるMIAが即時戦死として取り扱われたことにより、現場で混乱が発生しました。そこで本作戦において戦死と判断された鳥すべてをMIA扱いで処理しました。死亡確認が取れ次第、順次相続手続きを再開します。
大規模作戦では今後も同じ問題が発生する可能性があります。支部では明らかな戦死者であっても一旦は戦死者=MIAとして扱うことで、初期の混乱を抑える方針です。
・遺書の不備に関する注意喚起
作戦参加者に対し遺書に関する調査を実施したところ、書いていない、あるいは内容に不備があるものが数名いました。該当者はすべて後方支援部隊の所属です。大規模作戦における死亡リスクが過小評価されているおそれがあるため、支部全体へ注意喚起をおこないます。
以上です。
▼ヒキリより (兵器開発部)
〇壱・牽引式長距離砲とその弾薬を改良する
〇弐・ロケット兵器を試作する
〇参・次世代狙撃銃をいくつか作らせる
〇壱
でかい弾が当たれば、災害級でもダメージを受けるのがわかった。
だから牽引式長距離砲(と、高高度迎撃砲)の開発をつづける。
今回は射手が死にすぎた。
だから安全性を確保するため、原始的な遠隔発射装置を作るつもりだ。
ついでに弾丸の直進性も向上させてみる。命中精度は鳥の命だ。
それにイーターのようにデカいのが出てくるかもわからん。
だからこの作業を優先する。
〇弐
アライアンスの戦闘車両に自走ロケット砲がいたらしい。
ならこちらもロケット砲をつくる。
問題は飛距離と携行性だな。
歩兵が運用できなければ話にならん。
だが低速でも遠距離目標に当たるなら使い道がありそうだ。
いまのところ机上の空論だがな。
長距離砲の件が終わったら着手しよう。
〇参
ホワイトレインボウをいくつかバラした。
なかなかの粗悪品で笑えたぞ。
しかしこいつが出回ってる話は笑えんな。
それも数が多すぎる。
おそらく工場制手工業でつくられてるんだろう。
安さでは勝てん。
かといってこちらの品質は頭打ちだ。
これ以上コストをかけるなら、いっそハンドメイドにしたほうがいい。
それでは量産兵器失格だ。
一六式が好評なのを見ると、白虹の取り回しの悪さは時代遅れなのかもしれんな。
例の特例上位ランカーが片手で振り回してるのもイメージがよくない。
ならいっそ新しく作らせることにした。
新人のなかに見込みのあるやつがいる。
高威力長射程で携行性が高く弾薬の運搬が楽で継戦能力の高い銃、と聞いてそいつは笑ったよ。
こういうやつは歓迎だ。
まずはそいつにまかせてみる。ものは試しだ。
〇別件
送られてきたブツは見た。
ほとんどはおもちゃみたいなもんだ。
だがアサルトライフルは別だ。
例の話は本当かもしれん。
立ち回りには気をつけろ。
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