第24話
—ラクレジア視点—
昔、私は女神を本当に恨んでいた。
死体が好きなんだ。薬師の家系の人間としては申し訳ないが、死霊術が本当に好きなんだ。
なんで好きなのか自分でもわからない。子供の頃から病人や死体をたくさん見てきたからか?それともそこに何か普通じゃないものを感じたからか?とにかく、自分が死霊術に惹かれていると気づく前から、もう死体に夢中だったんだ。
ただ、母も祖母も曾祖母もみんな薬師だったから、私も薬師になるんだろうなって思ってた。頭ではわかっていたけど、心のどこかで他の可能性を期待していたんだ。
そしたら、女神がその期待を粉々に打ち砕いて、絶望の淵に突き落とした。
あの日、女神から薬師という職業とスキルを授かったんだ。やっぱり例外はなかった。でも、14歳の時にまだ母から薬草の知識を学んでいた時、疫病が母を奪った。
私は村の薬師になることを余儀なくされ、ここに閉じ込められ、抜け出すことはできない。
もし女神が本当に教会が言うように慈悲深いなら、とっくに発狂しているはずだ。彼女が私たちに職業を与え続けるってことは、まだ発狂してないんだろう。だから慈悲深くなんてないんだ。
女神が頼りにならないなら、自力でやるしかない。毎日生活をこなし、薬草畑の世話をし、薬を採取し、薬を調合し、病気の村人を看病し、その合間に死霊術の研究をしている。
死霊術なんてわからないし、教えてくれる人もいない。こんな小さな村には誰も来ないし、私が出かける時間もない。だから自分で試すしかなかった。薬師だから、薬を使って死霊術を試してみた。誰もやったことがないことだけど、これしかなかったんだ。生まれた時から学んできたもの、最後の拠り所だった。
十年かけても全く進展がなかった。実際、そんなに気にしてなかった。無駄だってわかってたから。でも、諦める?そんなの無理だ。十年も頑張ってきたんだ。今さら諦めたら、この十年が無駄だったってことになるじゃないか?
無意味な希望を抱いていると言われてもいい。でも、その希望を抱きしめなければ、この世界でどうやって生きていくんだ?酒に溺れる者もいるし、ギャンブルに狂う者もいるし、殺人を好む者もいる。私はただ、死体の研究が好きなだけだ。
でも……女神は本当に人を弄ぶ。私の毒にかかったイノシシが村長に持ち帰られ、宴会で村人のほとんどが中毒になった。運命まで私を弄んでるのか!私が何をした?私が持つべきじゃない興味を持ったからか!自分の考えを持つ資格がないってことか!
でも、この出来事で初めて女神に感謝し、女神が本当に残酷ではないかもしれないと信じた。ヴェーバーという人に出会ったからだ。彼の魂と肉体に対する理解は素晴らしかった。彼は死霊術師?それとも聖者?違う?魔法剣士?でも彼は……
心臓がドキドキする。彼と一緒にいれば夢を掴めるのか。この考えが頭に浮かんだ。なんでそんなことを思ったのか自分でもわからない。でも、この機会を逃したら、私の夢は永遠に失われる。だから私は……
………………
本当に満足だぜ!
………………
やっとわかったよ、全てはストッキングの神の導きだ。あいつこそ私が従うべき神だ、クソ女神もこの世界もくたばれ!
「悪いが、俺たちはお前を行かせるしかない。」
村長爺さんを助けた後、最初に言われたのがこれだった。
村人たちは、私がここ数年何をしているか知ってた。危険がなければ、見て見ぬふりをしていたんだ。でも、今回の事件は奴らの限界を超えたんだ。だから、悪いけど仕方ないってさ。
「誰にでも自分の場所がある、それがこの村の伝統なんだ。」
その伝統なんざ、くたばれ。
私は自分の道を見つけたし、自分の死霊術も見つけたんだ。彼が教えてくれた、十年間無駄じゃなかったってことを。
ご主人様、行くぜ。
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