ストッキング教in異世界

第6話

　　【絲魂大法】がエルフに対して有効かどうかは分かりませんね。通常、エルフは寿命が長く、精神力も強い存在です。しかし、前世の修練が強かった仙人にも【絲魂大法】は効果的だったことから、それが期待される可能性はあります。

　　ただし、もし俺がこれらの邪法を使用したことが人に気づかれた場合、魔王と見なされて討伐の対象になるでしょう。前世は【魔教】の【教主】であり（父親が亡くなってから暇な月に限りますが）、今世でも魔王と見なされるのはなかなか興味深いものですね。

　　　しかし、これらの実験はまだ注目を浴びていないうちに行うのが最善です。勢力が大きく、名声が高ければ高いほど、人々の警戒を引き起こし、同時に嫉妬を招くことになります。前世は最終的に人に追われ、それは教訓でした。

　　本来、俺はステラだけを選ぶつもりだった。なぜなら、彼女が隊長だからです。しかし、エルフのガリーナがステラの変化に気づくことを心配して、彼女も選んだ次第です。

　　幸いにも不死族の魔力を絶えず吸収することで、俺は以前の状態にほぼ回復し、おそらくそれ以上に強くなったかもしれません。しかし、【絲魂大法】の二発は相当な魔力を消耗し、今の俺はおそらく一匹の野狼にも勝てないでしょう…

　　少なくとも、今は分かりました。【絲魂大法】を使用する際には、一度にあまり多くの人に使わない方が良いということ。一度に一人ずつが最も理想的です。

　　もう一つは、俺が今ほぼ地下七樓の転送門の近くに滞在しているということです。この地域では通常、魔物は少ないため、効率は低いです。しかし、今俺にとって最も重要なのは生き残ること。もちろん、早くこの場所を離れて、あの二人に復讐したい気持ちもあるが、生きて初めてそれを果たせる。死んでしまえば何もかもが終わります。

　　七樓に残るもう一つの利点は、武器と防具の消耗が少なくなることです。不死族に対処する際、俺は武器を使う必要がなく、攻撃を受けることもほとんどありません。今は食料が必要な時だけ六樓に上がるだけです。

　　ステラたちが十数日後に戻ってきて、挨拶をしてくれた。素晴らしい、美しい女性で礼儀正しい。ああ、ストッキングを履いている！まさに俺の好みにピッタリだ。黒が最高だが、肌の色と同じで、気づかれないような、一種の隠れた快感がある……いや、待てよ、前回会ったときにはストッキングを履いていなかったはずだ。もちろん、地下迷宮内で購入することも不可能なので、なぜだろう？

　　いや、ありえない。俺が自分の魔力を動かして探知してみると、やはり！そのストッキングは俺の【絲魂大法】の産物だ！ストッキングになるなんて？俺も知らないが……ところで、前世の世界にはストッキングなんてものは存在しなかったな……俺はこの世界で初めてストッキングの美しさに気づいた。考えてみて、もしもチームを結成できるなら、すべてのメンバーが女性で、しかも全員がストッキングを履いていたら……。この素晴らしいストッキングにに祝福を！

　　彼女たちによれば、最終的に地下九樓まで下りることに成功し、それ以上進むことができなかったとのこと。

　　「私が弱すぎた、ごめん。」と、ステラが仲間たちに謝罪の意を示す。

　　「そんなこと言わないで、弱いのは私も同じだ。」と、イザベルが激動して反論する。

　　「でも、私は最も弱い剣士職業だから、敵を前に防ぐ能力もないの。前回も私のせいで野狼が逃げ出してしまったし、うう～～～～～」

　　「私も最底層の火魔法師だよ！魔法も中級までしかない。」

　　「私も同じく、私が時間をかけすぎなければ、あのワニ怪獣は突破できなかった！だからもう言わないで！一緒に乗り越えるって言ったでしょ！」

　　実際、個人の職業は秘密にしておくのが一番だ。相手の持つ職業構成から相手のスキルを推測され、対策を研究される可能性があるからだ。特に悪意を抱く人に出くわすと危険だ。冒険者たちは多くが難民出身であり、犯罪者であった者も少なくない。

　　冒険者ギルド自体には多くの規定があるが、それが書かれているか、あるいは慣習となっているかにかかわらず、ダンジョンズの中では何が起きるか分からない。最近では同僚や恋人にほぼ殺されかけた愚か者もいた。そう思うと、俺は我ながら苦笑いを禁じ得なかった。

　　「すみません、私たち騒がしかったでしょう。」

　　現在、私たちは傳送門房間にいて、私と彼女たちの4人だけです。ガリーナは、まだ熱気の立つカップを持ってやってきました。

　　「気にしないで。」

　　「隣に座ってもいいですか？」

　　「もちろん、どうぞ。」

　　そして、彼女は座りました。本当に隣に座り、腕が触れるような距離で。

　　「ヴェーバー様…ガリーナ、ついに見つけました。」

　　「何？」

　　「ヴェーバー様が授けてくれた力、ガリーナはまだ使いこなせていませんが、頑張ります。感謝しています、大人。」

　　ガリーナは話しながら、自分の太ももを優しく撫でました。彼女の体は無意識に私に寄り添い、最初に感じた彼女の冷静な雰囲気はなくなっていました。

　　「ガリーナは、ヴェーバー様が授けた力を感じることができます。まるで穏やかな大地のように、永遠に存在しています。」

　　彼女は顔を上げ、私と見つめ合います。彼女の唇は目の前にあり、一瞬でキスできる距離です。

　　「だから、ガリーナを捨てないでくださいね…」

　　唇が軽く触れ合い、そして離れました。ガリーナは赤らんだ顔で口を手で隠し、私を見つめています。

　　「ごめんなさい、ガリーナ…私は…そうじゃないんだ…」

　　そして彼女は走り去りました。

　　俺はもちろん、以前にオリーブとキスをしたことがあります。それは清新なキスで、微風のように優しく感じられました。以前、オリーブはこの種のことにあまり関心がないようで、あまりしなかったんです。だからこそ、彼女が勇者に身を捧げると知ったとき、それに驚いたのです。」

　　オリーブのキスには、もっと甘い味があり、人を惹きつけます。彼女がもうすぐ俺のものになることを考えると、つい唇を舐めました。

　　話は戻りますが、少なくとも俺は【絲魂大法】がこの世界でも同様に有効であることを確認しました。したがって、マリオンにも効果的であることは確かです。汚染される時間は人それぞれ異なりますが、おおよそ２０〜４０日の間でしょう。ただし、エルフは感受性が高い可能性があり、【絲魂大法】に気付く可能性があるため、次にエルフに使用する際は注意が必要です。

　　「本当に私たちと一緒に戻らないのですか、ヴェーバー先生。」

　　「ステラは、飼い主から離れる小さな犬のように落胆しています。」

　　「はい、いくつかの理由があって…」

　　私は詳細に説明しませんでしたが、ほとんどの冒険者はそれぞれ秘密を抱えているため、彼女たちは何も言いませんでした。

　　「次に来るとき、補給品を持ってきます。」

　　「良いです、ありがとう。」

　　さようなら」と再び手を振る彼女たち。そして、魔力がほぼ回復した私は、残った2人、イザベルとキャサリンに感謝の意味で【絲魂大法】のストッキングを贈りました。

　　俺はここに残る理由は非常にシンプルで、ここが俺が最も速く強くなる場所だからです。

　　一歩も進んでいないように見えますが、実際には強くなっています。レベルは本当に上がっていますが、魔力だけが絶えず使われているだけです。　

　　今、俺はまだ勇者アレックスには勝てませんので、俺はもっと強くなりたいのです！