ギフテッド、それは高IQゆえに生きづらさを抱える子供たち……と言われている。
しかし、日本ではギフテッドに対する明確な定義はない。
にもかかわらず、ネットで拾い上げた都合の良い情報をつまみ食いして「うちの子はギフテッド」と決めつけ、育児の困難から逃避をはかろうとするのが日本のSNSで観測される「ギフママ」を自称する女性たちだ。
こちらの作品は、そんな自称「ギフママ」たちとその周囲の大人たちをめぐる物語です。
描かれる大人たちはみな一様に自らを驕ったり、他者を貶めたり、他人を利用して自分が利益を得ることばかり考えています。
肝心の子供たちに少しでも心が向いている人は……今のところ、一人だけかな?
ドロドロした大人の醜さが溢れていて、まさに「現代社会の闇」そのものがこれでもかというほどに煮詰まっています。
SNSをめぐるフェイク情報や足の引っ張り合い、個人情報漏洩などの危うさが赤裸々に描かれているところも読み応えありますね。
作者様はレディコミ原作者を目指しているそうですが、まさにレディコミのような濃密な人間関係にハラハラしながらもつい引き込まれてしまいます。
生々しく血のにじむような心情描写は作者様にもなかなかに負担がかかると思いますが、続きを楽しみに拝読してまいります。