二日生きた以上 / 終楽章 様
作品名:二日生きた以上
作者名:終楽章
URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330663415040274
ジャンル:現代ドラマ
コメント記入年月日:2023年10月25日
以下、コメント全文。
初めまして。
この度は『自作品への意見や提案がほしい方へ』企画にご参加いただき、ありがとうございました。主催者の島流しにされた男爵イモです。
作品の方を拝読致しました。
構成としては、綺麗にまとまっていた短編だと思います。希死念慮が耽美的かつ、狂気的に表現されていたのは本作の特色といえるでしょう。作中作を通して登場人物の心情を描いたり、刹那的な思考から「貴女」の首を締め上げたりと。独特な空気の漂う作品だった印象です。自分だけの感性を読者に伝えたい、という作者様の意図が伝わりました。
一方で、気になった部分もありました。
それは文章面における、描写過多と装飾過多についてです。現状の本文の書き方は、とても評価できません。過剰な書き込みで文章が冗漫になり、作品の見所が映えなくなっています。その原因は、前述した「自分だけの感性を読者に伝えたい」という意図が、物語よりも先行していることにあります。独特な比喩表現の多用や、複数の意味を込めた長文など。それらは局所的に使うからアクセントになるのであって、全編その調子で書いてしまっては、ただの自己陶酔的な作品になるだけです。その弊害として物語が希薄になり、表現や言い回しをこねくり回しているだけの作品という風に捉えられかねません。
これは純文学を書こうとする人間は誰しも必ず通る道なので、この作風を貫かれるのなら早めにこの悪癖を直した方が良いでしょう。作者様においては「平易な描写をする」、「物語を具体的にする」という二点をマスターすることが当面の課題といえます。前者は言わずもがな、端的でわかりやすい描写を使うことです。平易=稚拙ではありません。多くの人間に伝わる表現なのですから、情景や物語の軸を明かすうえで役立ちます。そのような表現があるからこそ、感性を基にした表現が一層映えるのです。
後者も同様、抽象的な表現で内容を誤魔化さず、ある程度の登場人物の背景を説明することが重要です。この部分は希死念慮の深みにもつながるので、掘り下げるほどに物語が重厚なものになります。動機づけや、作品の締めとして描かれる希望を鮮やかにさせるためにも欠かせません。多様な表現を生かすと同時に、堅実な物語を構築していただければと思います。
以上になります。
少しでも、作者様の創作活動のお役に立てたのなら幸いです。
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