その時まで、君を待つ / スティリア 様
作品名:その時まで、君を待つ
作者名:スティリア
URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330664304873420
ジャンル:現代ドラマ
コメント記入年月日:2023年9月29日
以下、コメント全文。
初めまして。
この度は『自作品への意見や提案がほしい方へ』企画にご参加いただき、ありがとうございました。主催者の島流しにされた男爵イモです。
一通り拝読致しました。
近況ノートにいただいた内容を念頭に置いて読みましたが、これといって致命的な瑕疵はなく、あくまで受け取る側の問題として処理できる範囲に留まっていた印象です。疑問点は後述しますので、まずは良かった点から。世界五分前仮説を鍵とした物語は独創的で、文章も安定していたことと思います。この内容を二日で仕上げられたことには驚くばかりです。登場人物にも妙なリアリティがあり、薄暗さが全面に押し出されていました。個人的には、少女の母が一押しですね。あの狂気に振り切れていない不気味さといいますか、一切を省みず何食わぬ顔で生きている様は、まさに人間という感じで良かったです。結末の二択も面白い部分だったかと。少女の自己嫌悪、あるいは諦観が生んだ二択は考察の余地がありますし、ifの世界線を考えてみるのも読後の醍醐味といえます。
気になった箇所は二点で、少女の詳細と死の過程について。
まずは簡単な少女の詳細から。これに関しては早い段階で女子高生であることを明記してほしかったです。序盤の内容では、ニヒルな小中学生にも読み取れるので。制服や校章の話で触れるだけでも、十分に補足可能かと思われます。
続いては死への過程について。見せ所の部分ですね。ここは正直、少女の胆力を疑いました。刃物であれほど自分を刺しておきながら平然と会話して、腹部を刺してもさほど動じないのは人間ではありません。かつての切腹でも、腹に刃が達する前に介錯することはままありました。自刃した場合でも、腹を横に開く前にショック死するのが普通だったとか。ようは常人ならば、これほどの重傷には耐えられないということです。最後の最後で、作品のリアリティが吹き飛んでしまったように感じました。
もし、この一連の流れを変更するならば、死に方を変えるのが無難かと。私なら、投身自殺にします。夜に会うサイン(お金をあげるorあげない)の部分に手を加え、「夜に会う場合は、夜景の見える町外れの展望台で会う」と加筆。そうして展望台でのやり取りを経て、身を投げる。前面から落下し、お腹の子どもは少女の下敷きに。描写的に若干気持ち悪いですが、なるべく作中での要点は踏んだ展開となります。
あくまで一例ですので、参考程度に考えていただければ。既存の流れを下地に細かく内容を修正してもいいですし、先に挙げたようにまったく別の展開にされても良いでしょう。調理方法は作者様にお任せします。
以上になります。
少しでも創作活動のお役に立てたのなら幸いです。
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