希望ノ街 / 鴉 様

 作品名:希望ノ街

 作者名:鴉

 URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354054891807809

 ジャンル:現代ドラマ

 コメント記入年月日:2023年10月1日


 以下、コメント全文。


 初めまして。

 この度は『自作品への意見や提案がほしい方へ』企画にご参加いただき、ありがとうございました。主催者の島流しにされた男爵イモです。


 最後まで拝読致しました。

 作品としてはメッセージ性や希望に溢れており、この手の小説を読まない人でも親しみやすい内容に仕上がっていた印象です。運営から注意を受けた改訂版(ゴアや性描写が過激だったのでしょうか)についても気になりますが、本作の内容でもある程度の満足感はあったと思います。社会的弱者の境遇や世間の無関心、這い上がれない泥沼の世界など。不条理な世界で懸命に生きていく主人公の姿は、比較的共感を得やすかったのではないかと。絶望に振り過ぎない、絶妙な味付けが強みの作品だったといえます。


 気になった部分としては二点ほど。

 まずは主人公の覚せい剤の禁断症状について。常習性はないので禁断症状というよりは、後遺症の方が表現として適切かと思われます。後遺症として脳の萎縮がみられ、それが原因で性格は倒錯的で不道徳な色が強く、素行が悪い。それで、周りから薬物依存症の嫌疑をかけられる(伏線)。父親との再会で、過去が露見する。このような流れの方が、説得力は増すのではないでしょうか。御子柴の催眠術についても、少しファンタジー寄りといいますか、作品のリアリティを落としていた印象です。代替案としては投薬治療や、心理セラピーなどが有効かと。なまじリアル重視の作品なので、こうしたソフト面の内容の粗が、作品への没入感を邪魔していたように見受けられます。


 二つ目は書式と文章表現について。

 書式についてはワープロで書いたものをコピペされているのかもしれませんが、段落初めの一字下げ、台詞の一字下げ(本来不要)、感嘆符や疑問符のあとの一字空けが不揃い、という部分が目立ちました。読んでいて違和感が大きいです。現状では特にメリットはないので、お手すきの際にでも修正していかれた方がよろしいかと思います。


 文章表現については、読点を複数使用した長文が冗漫でした。これは純文学でよくみられる文章表現ですが、さすがに本文の大半をその表現で書かれたらくどさが勝ちます。おまけに主述関係や、つなぎが粗い長文もあったので稚拙さが際立ちました。端的に表すなら小説の小粋な技術に、基本的な文章力が伴っていない状態です。まずは基本的な文章、短文を書くことを意識してみてください。無闇に小慣れた文章表現を使うのは逆効果です。


 最後に誤字脱字などの報告を。

 かなりの数でしたので、ご自身でも作品を再確認されることをオススメします。ちなみに、リハビリ施設の名称は『Zうす』と『ぜうす』、どちらが正しいのでしょうか。作中では『Zうす』表記が多かったですが、違和感が強かったので。下記の報告一覧では『ぜうす』表記を正しいものとして記述しています。


 第1話より:「使い古して所々が穴が開いたリュックサックを背負い、」→所々「に」

 :「収入減が途絶えました、」→収入「源」

 第2話より:「パンに袋を詰めるという、」→パン「を」袋「に」

      :「就業のベルが鳴り引き、」→「終業」

      :「つい最近飲酒運で警察の御用となり、」→「飲酒運転」

      :「普通の人間も中に入るのだが、」→「中にはいる」

 第3話より:「激落と言える事務や、」→「激楽」か「激ラク」

 第4話より:「精神内科に行こうかと迷っていても、」→「心療内科」or「精神科」

 第5話より:「新しい新製品を作る」→意味の重複。

 第6話より:「軽く酔いが回っているのか、少しよろけながらダーツを見る」→句点抜け。

      :「お花畑にいるような錯覚に陥った」→句点抜け。

 第8話より:「リハビリ施設『Zうす』は、」→『ぜうす』

 第9話より:「頭痛のする頭を抑えながら」→「押さえながら」

 第10話より:「『Zうす』の専属の医者は、」→『ぜうす』

 第11話より:「『Zうす』の家にいるお母様に」→以下同文。

       :「逮捕された後に服役後『Zうす』に入所した」→以下同文。

      :「『Zうす』に入院していた五十嵐春香さん」→以下同文。

      :「宗輔は『Zうす』を脱走した後に」→以下同文。

 最終話より:「馬鹿騒ぎするF欄大学生」→「Fラン大学生」

      :「性欲を晴らしてれる」→「晴らしてくれる」、「発散させてくれる」


 以上になります。

 作者様の創作活動の一助となれば幸いです。

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