第54話「一番隊期待の新星!星空駆登場!」
2023年 8月1日 12:30分
時刻午前10時にミレニアムクルーズは想武島へ向けて出航。各部隊修行に励む者もいれば全力で船内に広がるアミューズメントエリアやスポーツエリアで遊ぶ者もいた。
達樹達は恋と合流後光也はトレーニングエリアで筋トレを始め隼人はやる事はこの2ヶ月で十分やったとしてリラックスエリアにて日光浴をしてくつろいでいる。
そんな中達樹は一番隊の達樹達と同時期にアイドル因子に覚醒した奏者である
「達樹ぃ〜!ようやく合流できたよもう!乗船時間俺達と同じだったはずなのに全然いないからさ!ワンチャン来ないのかと思ったわ!」
「わりぃわりぃ。かくかくしかじかな理由があってよ」
「なんだよかくかくしかじかって!何回でも言うけどさ!俺の心細さったらないんだよ!うちの隊みんな先輩だし!同期三人組のお前が羨ましいわほんと。気苦労がやばいってのこっちは」
約2週間前。一番隊隊長である立心から達樹へぜひとも会って欲しい人間がいると呼び出され紹介された人物が星空駆であった。
更に駆の中に宿っていたアイドル因子は春風大我や天瀬桜と同一の世界からのアイドルである事も判明。
駆の中に宿っていたアイドルは春風大我と共にユニットを組み共にアイドルの頂きをを目指しお互いを高め合った友人である
早速琴音は駆へと一つ提案を申し出る。
『駆さーん。わたし身体動かしたい気分になっちゃいましたっ。せっかくプールもあるんだし水浴びしたいでーす♪」
「そっか。じゃあ俺の身体しばらく開け渡すから気が済むまで遊んでいいよ。俺はその間ひたすら虚無になっとくからさ」
『えぇ〜?駆さんと遊びたいのにそれじゃ意味ないじゃないですか〜。一緒に一夏の思い出一緒に作りましょうよ〜』
「いや本当無理なんで。まじで。そういうのうちやってないんで……」
琴音は駆へ一緒に遊びたいという気持ちを懸命に伝える。それに対して露骨に嫌そうな顔をして拒絶する駆の様は達樹と言えど少し引いてしまう程だった。琴音を不憫に思った達樹はフォローに入る。
「実像化は確かに想力食うし疲れるけど……しばらく島には着きそうにないしちょっとくらいなら付き合ってあげても良いんじゃねぇか?」
「はぁ!?達樹おま!はぁ!?お前聞こえてるか達樹おい!!?」
「き、聞こえてるよ。大声出さなくても……」
「いいかお前!!俺はな!!健全な男子高校生であり!思春期真っ盛りなの!!」
「知ってる……」
「そんな俺が歳下の水着着た距離感イカれ陽キャギャルときゃっきゃうふふなんてしたらおま!!俺の心がオープンマイハートして揺さぶられまくり鼓動高鳴りまくりになってこの子の事好きになっちゃうでしょーが!!」
『だから好きになっていいんですってば〜!わたしは駆さんともーっと仲良くなりたいんですっ!早く名前でも呼んで欲しいし……』
「ああー!!それは本当ごめんって!!わかってるよ!!俺が訳わかんないくらい女性恐怖症なのが悪いってわかってるから!!
でもどうやっても無理なの!俺みたいな陰キャがこんな陽キャの象徴でしかなさそうなギャルに好かれる訳ないって!何か裏があるだろって思っちゃうの!!どうしても!!」
『でもでも駆さん陰キャ陰キャって言いますけど普通にイケメンだと思うな〜結構筋肉もあるし』
「そりゃしごかれてますからね!嫌になる程!!ごめん達樹!病んで来た!メンタル限界!しばらく任せた!」
「は!?ちょっ!」
駆は逃げ出すように完全顕現を発動。琴音を内から引っ張り出し一切の情報を遮断してしまう。
「うーんまた失敗しちゃったなぁ……」
『琴音……』
「大丈夫!今に始まった事じゃないから。せっかく顕現したんだし一緒に遊ぼっ!」
『うんっ!もちろん!』
完全顕現させられた琴音は俯きながら悲しげにそう呟く。
でも気に病んでいても仕方ないと切り替えて実像化した大我と共にプールへと向かう。
星空駆は以前の達樹同様自らに宿るアイドル因子の名前を知らない。故にその力は未熟である。
名前を把握出来ない原因は簡潔に言えば信頼関係を構築していない事が大きな原因とされている。
駆の場合は極度なまでの女性恐怖症によるものとされている。
この駆と琴音の仲を解消すべく空き時間で同じ境遇であった達樹がカウンセリング及びメンタルケアを行っていたが一向に良くなる兆しは見られなかった。
琴音という名前が発せられるたびにその言葉は駆には届かず無音となって伝わる。それらの積み重ねは彼女への申し訳無さと自分の弱さを日々自覚させられ続ける事となる。
更に綺羅琴音は星崎理衣の『星の系譜』の後継者である事が濃厚とされている。
それらの突然課せられた使命の重さに苦しみもがきながらも必死に抗いながら駆は奏者として戦っている。
(余りに辛そうだ……今回の合宿で何か駆が琴音ちゃんと向き合う事が出来るきっかけがありゃいいけど……)
達樹の心配が募る中もミレニアムクルーズは想武島へと着実に進んで行く。
後に光也達と合流し昼食を済ませ各々は豪華客船での癒しのひとときを満喫。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去り時刻は夕方。船はいよいよ想武島へと辿り着いた。
―――― to be continued ――――
あとがき
『実像化』とは
アイドル因子を現世へ実体を持った上で体外へ排出し顕現させる52話で巳早が千聖に対して使っていた技。
合宿に向けての特訓の末、達樹達も扱えるようになったがその精度は未熟であり戦闘力を保持した状態で実体化が出来ない。この事から実戦での運用は不可能。(一般人相当のスペックでの実像化となるので包丁で刺されるといったダメージでも死に至る)
完全顕現同様心臓を剥き出しにしているような物であり使い熟すには相当な鍛錬が必要なのだ!
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