第125話 力を試すワクワク
〜〜ザウス視点〜〜
さて、みんなは復活した。
以前として、俺たちはノーダメージだ。
「バカなぁあああ!! ブラァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「さぁ。決着をつけよう」
「き、貴様ぁあああああ!
「まぁな」
「ぬぐぐぐ……。い、いい気になるなよ。雑魚魔族が。……そうだ! 貴様が絶望することを教えてやろうか?」
「おまえ、そういうのにやたらとこだわるな」
「クハハハハ!
「ふむ。じゃあ、聞こうか」
「聞いて驚け。ククク。
「へぇ……」
知ってた。
「ククク。どうやら言葉が出ないようだな」
いや、そういうわけじゃないが……。
「いいだろう。貴様がどれほどパワーアップしたのか、試してやろうじゃないか」
ふむ。
それはシンプルにありがたいかもな。
俺も、これほどの力を試せるのは二度とないだろうからな。
この機会に力を試すのはいいかもしれない。
「クハハハ! まずはレベル30億だ!! 絶望のリュート!!」
ボローーーーーーーーーーーーン!!
「グハハハハ!! 再び世界を破滅してやる!! 全てを破壊するリュートの音だ!!」
ふむ。
さっきの攻撃より少しレベルを上げたようだな。
レベル100万を超える俺の仲間たちを一撃で葬った技だ。
そのパワーアップ版か。
だがな、
「な、なに!? な、なにも起こらない!? くっ!」
ボローーーーーーーーーーーーン!!
しかし、弦の音は虚しく響くだけである。
ボローーーーーーーーーーーーン!!
ボローーーーーーーーーーーーン!!
ボローーーーーーーーーーーーン!!
「ど、どうして、なぜだ!? ぜ、絶望のリュートの威力が消えているだと!?」
弦の超音波は吸収されていた。
ヘブラァは背後に違和感を覚える。
振り向くと、そこには紫色のウサギがいた。
それは1匹のウサギで、やや大きな体格なのだが、それでも俺の膝くらいまでの大きさしかない。
「な、なんだ……。このウサギは……?」
ボローーーーーーーーーーーーン!!
リュートを鳴らすと、その超音波はウサギの耳が吸収した。
「なにぃいいいいいいいい!?」
ボローーーーーーーーーーーーン!!
ボローーーーーーーーーーーーン!!
何度も鳴らす。
しかし、その音は全てウサギが吸収してしまった。
「な、なんだとぉおおおおおおお!? なんだこのウサギはぁあああああああ!?」
俺もさっき知った。
こいつの名前は、
「ブラックホールラビット。耳の穴がブラックホールと繋がっていてさ。どんな音の攻撃も無力化するらしい」
「ブ、ブラックホールラビットだと……?」
ヘブラァは大きな事典を空中に出現させた。
あれは
俺が薄いコンタクトレンズみたいにしてるのを、60センチ幅くらいの大きな紙の事典にしているんだ。
「ない! ないぞ!? どうしてぇええええ!?
「特徴を教えてやろう。ブラックホールラビットは、音の攻撃に特化した究極の防御モンスターだ。超音波攻撃をはじめ、呪いの詠唱や、言葉の催眠術、人の声や物の音を吸収したりもできる」
「なにぃいいいいいいい!?」
「つまり、おまえのリュート攻撃は通用しないということさ」
「クソがぁあああああ!! だったら、肉弾戦だぁあああああああ!!」
ヘブラァはリュートを放り投げ、俺に殴りかかってきた。
「レベル40億の攻撃ぃいいいいいいいいいいいいい!!」
俺はそれを片手だけで防ぐ。
ガガガガガガガガガガガガガガッ!
ダダダダダダダダダダダダダダッ!
すさまじい連続攻撃。
まぁ、常人ならばとても見えるスピードではないだろう。
でも、今の俺なら見切るのは容易なんだよな。
なんなら、腕を使わずに片足だけでも防ぐことが可能だろう。
ちょっと、やってみようか。
「なにぃいいいいいいいいいい!? 片足で
「なんか、できちゃったな」
「グヌッ! だ、だったらレベル50億だぁああああああ!!」
ふむ。
あんまり変わらんな。
俺は全ての攻撃を片足だけでガードした。
「バ、バカな!?」
「本気を出した方がいい」
「くっ!」
と、奴は距離を取った。
「後悔するがいい。レベル80億だ!」
いや。
「フルパワーで来いって」
「バカが! 貴様ごときに
やれやれ。
ヘブラァは飛び上がり、すさまじい速度の蹴りを俺の顔面に向かって放つ。
それは稲妻をまとい、空間を切り裂くほどの攻撃。
「フハハハ! 死ねぇえええええええ!! 骨も残さんぞぉおおおお! ブラァアアアアアアア!!」
こんな攻撃なぁ……。
俺は小指を立てた。
ガシィイイイイイイイイイイッ!!
「なにぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?
「だから言ったろ? 本気で来いって」
ヘブラァは再び距離を取り、考察するように汗を飛散させた。
「……
「へぇ。よく知っているな。さては、
こいつのいうとおりだ。
でも、それは、1人の存在が俺に付与する限界値であってだな。複数人で付与されることは加味されていないんだ。
「ふん! どこまでパワーアップしたのか知らんがな。所詮は雑魚魔族。格の違いを見せてやろうではないか。良かろう。やってやるよ。フルパワーでな」
「楽しみにしてる」
「んぐ! ……余裕だな」
こんな機会は二度とないだろう。
レベル100億の敵と戦える、究極のバトルなんてな。
RPGでさ。レベルを上げたら、それ相応の敵と戦いたくなるもんなんだ。
雑魚じゃあ満足できない。ボスレベルの強敵を撃ち倒す快感。
「おまえだって、少しはワクワクしてるだろ? レベル100億の力を使えるんだからな」
「ふん。楽しんでやるさ。貴様を粉々に粉砕するのをなぁあああああ!」
瞬間。
ヘブラァの姿は消えた。
それは瞬きより早い移動。
息をするより早く。奴の姿は、俺の眼前に到達していた。
「フハハハ! 捉えることはできまい。
なるほど。
音速移動魔法
「喰らえ! レベル100億の拳ぃいいいいい!!」
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