第111話 ザウスの攻撃
〜〜魔公爵ザウス視点〜〜
さて、なんとか体は元に戻ったな。
「じゃあ、俺の方から攻撃させてもらおうかな」
「な、な、なにぃいいいいいい!?」
上空には無数の球が浮かぶ。1万個以上はあるだろう。
それは火、水、氷、風、木、雷、闇、光の属性を持つ。魔力の玉だった。
「な、なんだ……これは!?」
「俺は、この世に存在する全ての属性。つまり八属性が自由に使えるようになったんだ」
「な、なにぃい………!? そんなことあり得ない」
それがあり得るんだ。
千レベルを超えるとそういうことも可能なのさ。
八属性、全てを使った魔力弾の攻撃。
「
魔力弾は魔王に命中。
「うぎゃああああああッ!!」
全ての属性が爆発して、空間が捻れたり膨張したりする。
ふむ。
あんまり使わない技だからな。
特に、誰かに攻撃するなんて初めてなんだ。
こんな風になるんだな。興味深いよ。
「あぎゃあああああああああああッ!!」
水が火と雷によって水蒸気爆発を起こしている。木や植物が、水属性を吸収して急激に成長。それを火と雷が燃やす。風属性と光属性が爆発を増幅させて、闇の力が包み込む感じか。
言葉じゃ表現しきれないが、なんともいえない壮絶な光景だよ。本当に世界の終焉を予感させるようだ。何種類もの爆発が魔王を襲っているんだ。
「ぎゃあああああああああああああああああああッ!!」
やれやれ。
超自己再生で体を瞬時に再生しているから苦しみが持続しているんだな。
まぁ、それも魔力の続く限界が来れば終わりだろう。
「
ふむ。
このままじゃ魔王の体が消滅してしまうな。
よし、
「
簡易的な封印空間だ。
俺はその中に魔王の首だけを入れた。
「ブラァアアアアアアアアアアアアアアア!! なんだこれはぁあああああああ!?」
「超自己再生が発動すると厄介だからな。この中に入れさせてもらった」
「ふざけるなぁあああああああああああああ!!」
首を封印すると、体は
ふむ。あとは、この姿を魔王軍のモンスターたちに見せれば敗北を実感するだろう。
「……ククク、ザウスよ。これで勝った気になるなよ? 仲間を心配した方がいいかもしれんぞ」
「どういう意味だ?」
「ブラハッハッハッハッ! 貴様の
「なに?」
「ククク。一方の蝙蝠は、今目の前にいる本体である
やれやれ。
「じゃあ、団体戦が繰り広げられたセキガーハラ平原に飛んで行ったということか?」
「クハハハ! 今頃、
ふむ。
「その分体はどれくらいの強さなんだ?」
「ほぼ本体と変わらんわぁああ!! ギャハハハ!! 終わったなぁああザーーーーウスゥウウ!!」
「まぁ、分体が本体より強いってことはないわな」
「クハハハ! 魔力が本体にやや劣るだけで、使う攻撃はほぼ本体と同じなのよぉおおお!! つまり、今頃は貴様の部下を殺しまくりだぁああああ!! そうして、主要メンバーを人質にしているだろうさぁああああああ!! ボコボコの血だらけにしてなぁあああああ!! ギャハハハハ!! 油断したなぁああああああ! ザァアアアアアアアアアアアアアアアウスゥウウウウ!! 人質がいる状態で貴様は
「よし。戻ってみよう。
俺は魔王の首を
「お。なんじゃ、ザウス。そっちは方がついたのかの?」
そこには大きな
どうやら、このハンマーは大賢者カフロディーテが出したやつっぽいな。
みんな無事みたいだし、アルジェナたちが動いた気配がない……。おそらく、カフロディーテだけでも魔王の分体は敵わなかったようだな。
「なにぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」
ああ、初めて知った感じか。
分体との連絡が取れなかったのだろう。混乱するのは理解できる。
「俺の部下はピンピンしているぞ。どうやら人質どころではなかったらしいな」
「そ、そんな……。バ、バ、バカな……!!」
「大賢者カフロディーテはレベル600万以上はあるからな」
「へ?」
「隠蔽の魔法でステータスが見えないからな。えーーと、正確なレベルは……」
「666万じゃよ。
「まぁ、そういうわけでな。おまえの策略は見事に頓挫したわけだ。魔王よ。残念だったな」
「ぬあにぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
魔王の首はワナワナと震えて、ブツブツと呟く。
「ろ、ろ、666万……。あ、あ、あり得ん……。そ、そんなバカな……。人間に
あ、そうそう。
もうこの状況だしな。
「俺のレベルも教えてやろうか」
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