第85話 対決、超キングメタルヒトデン
超キングメタルヒトデン。
超絶経験値をくれる鉄肌のレアモンスター。
ステータスはっと、
「レベル1万か」
加えて、高防御。
完全魔法耐性。
打撃半減。
自動体力回復。
全属性攻撃耐性。
特殊異常効果無効化。
超移動速度。
この洞穴では一番強いな。
体力は低いが自動体力回復が厄介。
モンスターとしては優秀だよ。
部下に欲しいが
『ヒトォォオオオ!!』
やれやれ。
俺たちを見るなり攻撃か。
やはり、
魔王の敵は全て敵。敵は見るなり強制排除か。
超キングメタルヒトデンは氷の息を吐いた。
「は、速い! ザウス様ぁ! ブリザードブレスでござるぅ!!」
「
「おお! 早い!! 魔法壁で完全に防いだ」
まぁ、俺が防御する必要はないんだがな。
攻撃は防いでおかないと、サイ蔵にダメージが出てしまうからな。
「こいつがメタルパイナプールを落とすのか?」
「そういうことでござる! しかし、この場所では一番の強敵! どんな攻撃にも耐性を持っていて、魔法攻撃は無効! 打撃ダメージは全て半減されてしまうでござる!!」
「そうだな」
レベルが低いうちは強敵だよね。
ましてや、サイ蔵の素のレベルは4千だからな。
倒すのも命懸けか。
「おりゃ」
ズシャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!
よし。
撃破。
「一撃ぃいいいいいいいい!? たった一撃で倒してしまったでサイィイイイイ!?」
ふむ。
こいつ1体で10レベルくらい上がったか。
まぁまぁな経験値だな。
「あれ? 消えてしまったぞ? メタルパイナプールは?」
「ドロップは低確率でござるよ」
ああ、そうだった。
簡単には落とさないのか。
低確率ってどれくらいだろうな?
ゲーム中のレアアイテムの場合は1%未満に設定されていたな。
それだと、百体狩っても落ちないかもしれん。
本来なら、超キングメタルヒトデンのドロップアイテムは『超キングメタルヒトデンの盾』と『天使すぎる靴』だったな。盾は高防御のアイテムで、靴は履いて歩くだけで経験値がもらえる装備品だ。メタルパイナプールはどんな効果があるのかわからんが、超激レアというくらいだから、落ちにくいアイテムなのだろう。
「ほら、見てくだされ。あそこから湧いて出るようでござる」
「ああ、時空の穴だな」
そこはブラックホールのように、黒い渦を巻いた穴だった。
この穴からはモンスターが湧いて出てくる。まぁ、一種のレベル上げポイントでもあるんだがな。
しばらく待つと、モンスターが湧き出て来た。
「やれやれ。メタルカメレオンか」
おまえじゃない。
一撃粉砕。
ビシャァアアアアアアアアアアアアアアアッ!
やれやれ。
湧いて出てくるのはいいが少し時間がかかるな。
俺は
「これを使おうか」
「それはなんでござろうか?」
「魔寄せの笛さ。一吹きでモンスターが寄ってくるんだ。以前に無限ダンジョンで部下モンスターが獲得してきたレアアイテムだな。使ってみようか。ピューー!!」
すると、時空の穴からモンスターが現れた。
「おおお! メタルカマキリでござる!」
やれやれ。
ドバァアアアッ!!
「違うモンスターが出るのは面倒だなぁ」
とはいえ、欲しいのはメタルパイナプールだからな。
俺は笛を吹きまくった。
そうすること1時間。
再び超キングメタルヒトデンが出現した。
『ヒトォオオオオッ!』
はい。
撃沈。
グシャァアアアアアアアアアアアアアアアアッ!
また消えた。
獲得したのは経験値だけ。
そう簡単には落とさないか。
「やれやれ。良い経験値稼ぎにはなるが、肝心のアイテムを落とさないな」
「低確率でござるからなぁ」
うーーむ。
倒すのは問題ないが、出現率が悪すぎるな。
こんなのを百体以上狩るとなったら何日かかるかわかりゃしないよ。
「よし。一旦、魔公爵城に帰ろう」
困った時の大賢者だ。
俺たちは城に戻った。
「なに!? 超キングメタルヒトデンを大量に倒したいじゃと?」
大賢者カフロディーテは愛らしい瞳を見開いた。
彼女は見た目は11歳だが、その実は不老の秘術によって歳を取らない1100歳の女の子なんだよな。
魔研究に精通している彼女なら、この問題を解決してくれるかもしれん。
「つまり、
「いや。魔寄せの笛を使えばモンスターは出てくるんだ。問題は種族の指定だよ。できそうか?」
「うーーむ。難しいのじゃ」
だろうな。
意図的に敵を指定して出す方法なんて聞いたことがないからな。
でもさ、
「この魔寄せの笛の音色はさ。モンスターに響く周波数っていうのかな? そういう音なんだろ? 例えば、その音が超キングメタルヒトデンだけに反応するとかさ。できないかな?」
「おおおおお!! その発想はなかったのじゃ!! 流石は未来の旦那さまなのじゃあああああ!!」
「ははは……」
まぁ、素人発想だがな。
「ザウスが発案をし、
ああ、社交辞令というか、大人のジョークだな。
彼女は1100歳だからな。俺なんかガキ扱いだ。まぁ、適当にあしらっておこう。
「……そうかもな」
「ふふふ。照れおって。素直になるのじゃ」
「できそうか?」
「ザウスからの良案じゃからの。実現せねばならんて。ふふふ。
うむ。カフロディーテは頼りになるな。
やはり、毎月渡している研究費用が効いているのだろう。お互い持ちつ持たれつだ。互いにメリットがあれば関係性は良好になる。友情なんてのはまやかしだな。社交辞令の一環にすぎん。やはりメリット命だよ。金の力はデカい。
「しかし、そうなってくると、実験には超キングメタルヒトデンが必要じゃな」
「ふむ」
たしかにな。
どの音色に反応するかの実験は必須か。よし、
「それじゃあ、もう一度カタイ鉱山に行って来るよ」
今度は捕獲だ。
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