第84話 超激レアアイテムを探しに行くでござる
俺とサイ蔵はカタイ鉱山に来ていた。
ここは、以前は魔王領だったんだがな。
今は俺の領土になっている。
この場所にはモンスターが湧き出る洞穴があって、厄介なので誰も近づかないようになっているんだ。
特に、貴重な資源が採掘される場所でもなかったのでノーマークだったな。俺の領土ではあるが未開発の土地になっている。
今回は、この場所にメタルパイナプールを落とすモンスターがいると聞いてやって来た。
メタルパイナプールは超激レアのアイテム。鋼鉄の果実らしいんだがな。
設定資料集でも見たことがない、俺が知らないアイテムだ。
果たして、どんなモンスターが落とすんだろうな?
そこは古い金鉱のような洞穴だった。
数百年も前に金を掘っていたらしい。
今じゃ、採金よりも、モンスターの被害で恐れられる場所だ。
ゲーム本編では入ることはなくて、ただの背景だった場所だな。
一体、中はどうなっているのだろうか?
「ザウス様。洞穴の中は、強力な
「その
「はい。アイテムを落とすのは、この洞穴の奥に出現する超キングメタルヒトデンでござる」
メタルヒトデンね……。
経験値が高いヒトデ型のモンスター。
やっぱりメタル系って経験値が高いよね。
超キングってことはそれの最終進化版だ。
あ、そうそう。
少しだけ、この世界のモンスターについて解説しておこうか。
モンスターには2種類のタイプがあるんだ。
まず1つ目。
これは生物として意思を持って存在しているモンスターのことだな。
家族を持ち、交配して増える。
ゴブ太郎や、
俺の部下モンスターになっているのは全てがこのタイプになる。
最後の2つ目。
これは魔王の加護で自然に湧き出てくるモンスターのことなんだ。
魔王の実力に比例して、強さが変動する。魔王が強くなればこのタイプも強化されるんだ。
所定のポイントから勝手に湧いて出てくるみたいだな。無限ダンジョンのモンスターがこのタイプだ。
生物的な意思を持たず、魔王の敵を自動的に排除しようとする。死ねば体は消滅して残らない。また、死体がアイテムや金貨に変わることがあるんだ。
以上。
この世界には2種類のモンスターがいるんだよな。
さて、話しを戻そうか。
このカタイ鉱山には
だから、倒せばアイテムや経験値になる。捕まえたところで、俺の部下にはならないんだ。
俺の部下にならないのなら遠慮はいらんな。
「あ! ザウス様! メタルカメレオンでござる!!」
ふむ。
レベル5千の
魔王の影響を受けてずいぶんと強化されているよ。
「ザウス様お気をつけを! こいつは防御力が高くて一撃が重いでサイ! 拙者の忍法が一切通じな──」
ふむ。
「俺の部下にならんのならいらん」
ドバァアアッ!!
「え!? い、一撃で倒してしまったでサイ! す、すごいでござる!!」
お!
経験値が1万も入ってしまったな。
流石はメタル系だ。ヒトデンじゃなくてもメタル系ってだけで経験値が他のモンスターより高いや。
しかし、今や、俺のレベルを1つ上げるだけでも1千万以上の経験値が必要だからな。
なにせ、今のレベルは12万。経験値が1万入ったところでなんの変化もないんだ。
「先を急ぐぞ」
その後も、メタル系の敵がわんさか現れた。
「ザウス様! メタルスコーピオンの大群でござる!」
「ふむ」
「こいつらはハサミ攻撃は強力で──」
ズバァアアアアッ!!
「行くぞ」
「メタルラットでござる!」
ジュバァアアアアッ!!
「次」
「メタルコウモリでござ──」
「雑魚に用はない」
ギュバァアアアアッ!!
「メタルタヌキでご──」
ビュバァアアアアッ!!
「メタルモンキーで──」
ゲバァアアアアアッ!!
「メタル──」
シャバァアアアアッ!!
やれやれ。
こんな雑魚には用はない。
「すごいでござる!! 流石はザウス様サイ!! 洞窟に入って1時間も経っていないのに拙者のレベルが千以上も上がっているでござるよ」
ふむ。
パーティーの恩恵か。
俺が倒した経験値がサイ蔵にも入っているんだ。
俺のレベルは10くらい上がったかな。
まぁ、普通の
しかし、こんな洞穴があったとはな。
部下モンスターを通わせたら、まぁまぁなレベル稼ぎの場所にはなるか。
しかし、
やっぱり部下モンスターだけで通わすのは非効率か。
「ザウス様。ここが最奥でござる!」
そこは開けた場所になっていた。
真ん中には大きなヒトデ型のモンスター。
真ん中が口になっているらしく、そこらか鳴き声が響いた。
『ヒトォ!』
おお……。
20メートルはあるだろうか。
鉄肌をしたヒトデのモンスターだ。
超キングメタルヒトデン。
こいつはブレクエ3で大好きだったモンスターだ。
なにせ、倒すと経験値がすごいんだよな。嫌いなプレイヤーはいないだろう。
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