第82話 魔王とザウスの現在レベル
〜〜スパイ骸骨視点〜〜
わ、私は恐ろしいものを見てしまったでコツ。
「はわわわわ……」
この望遠鏡を使えば遠くの戦闘を見ることができるんだコツ。
マジメット様の命令で、遠くから偵察をしていたコツ。
カ、カクガリィダンが……。ま、負けたコツ……。
「コ、コ、コココココココココココツコツコツ……!!」
ふ、震えが止まらないコツ!!
あのゴブ太郎とかいうゴブリン……。
レ、レベルが4万だったコツ……。
「アガガガガガガガ……」
私の体はボロボロと崩れ落ちた。
バラバラバラバラーーーー!!
しまった!
震えすぎて関節が外れてしまったコツ!
「ヒ、
回復魔法で再び体を戻す。
相変わらず、ザウスのステータスは隠蔽の魔法によって見えなかったコツ。
で、でも、ゴブリンであのレベルコツ!!
は、早くお知らせしなくてはぁあああああああ!!
☆
〜〜水組親衛隊 隊長 マジメット視点〜〜
私はイーチゴ村のカフェで部下の報告を待っていた。
「フフフ。イーチゴのショートケーキ……」
それはイーチゴという真っ赤な果実の乗ったショートケーキ。
この村の名物なのです。
イーチゴの果実は甘酸っぱくて最高に美味。
これを食べるのは最後にしておきましょう。
フフフ。横に避けてぇ……。ショートケーキから順に食べていきましょう。
「真面目にいって至福ですわぁ」
「マジメット様ぁあああ! コツーー!」
「おお! スパイ骸骨!! ザウスのステータスは見れましたか?」
「そ、それがぁああ──」
驚愕の事実を聞かされる。
「えええええええええええええええ!? ゴブ太郎がレベル4万んんんんんん!?」
「と、いうことはですよ! つ、つまり主人であるザウスは……コツコツコツ!」
バラバラバラーーーーーー!!
「ああ! スパイ骸骨が崩れたぁああああ!! しっかりなさい!!
「あ、ありがとうございますコツ」
「に、にわかには信じられません! 真面目な話、本当なのですか!?」
「こ、この目で見たコツ!」
「ええい!
そう言って、スパイ骸骨の首をもぎ取った。
「マジマジ、マジメット!」
スパイ骸骨の脳内にアクセス。見たものを可視化させる。
そこにはレベル4万のゴブリンがカクガリィダンを倒す光景が映し出されていた。
『ゴブゴブゴブゥウウ!! バーーーーストォォオオオオオオオオオ!!』
ええええええ……。
わ、
「ね! 本当だったコツ」
い、一体、ザウスのレベルはどれほどなのでしょうか?
残念ながら、ザウスには隠蔽の魔法がかけられていてレベルを確認することができないようです。でも、予想はつきそうですよ……。
「あーー、震えすぎて喉が渇いたコツ」
ゴブ太郎の主人ならば倍以上のレベル……。つまり8万以上……。
いや、もっと上げているかもしれない。
少なくともレベル10万以上はある可能性がありますね。
「あれ? マジメット様。イーチゴの果実を残しているコツよ? 嫌いだったコツ?」
イケメンダール様に底上げしていただいたレベルですが、果たして、今の魔王さまはどれほどのお力なのでしょうか?
「捨てるなんてもったいないコツ。もらっちゃうコツ。パクリ……。モグモグ。ふふふ。甘酸っぱくて美味しいコツ」
真面目な話、このことを魔王様にお伝えする必要がありますね。
「よく知らせてくれました。早速、このことを魔王さまにお伝えして……。あれ?
「え? 捨てるなんてもったいないコツ。私が食べちゃったコツよ」
「なに食べてるんですかぁあああああああ!!」
真面目ビンタ百連発!!
「マジマジマジマジマジマジィイイイイ!!」
「コツゥウウウウウウウーーーーーー!!」
「ええい! こうしてはいられません! あなたは店の主人から持ち帰り用のショートケーキを買いなさい!」
「は、はいコツ。マジメット様はどうされるコツ?」
「
「わ、わかりましたコツ! で、では……」
と、両手の平を前に出す。
「なんですかその手は?」
「え? お金がないと買えないコツ」
「そんなのはあなたのお金で買いなさい! さっき、イーチゴを食べた罰です」
「ひ、酷いコツ! 罰はビンタで受けたコツ!!」
うう。
「これじゃあブラックコツ! 働かせてパワハラでケーキを買わすコツ! 最悪の職場コツ!」
「うう。わ、わかりました! では、これで買いなさい!
「あれ? 多すぎるコツ。この金貨だと3つ買えてしまうコツよ?」
「ひ、1つは好きになさい!」
「へへへ。だからマジメット様は大好きコツ」
「まったく……」
さぁ、ゆっくりはしてられません。
真面目な話、早く、魔王さまにお伝えしなくては。
どうやら、更なるパワーアップをしたようだ。
「ブラァアアアアアアアアアアアアアアアア!!
そのステータスに目を疑う。
え?
バ、バカな……。
0の数を間違えたの?
「マジメットォオオ。カクガリィダンが負けたらしいな」
「は! 部下のゴブリンに倒されたようでございます。その者のレベルは4万でした」
「ふん。たかが4万よぉ。ククク。ブラァアアアアアアアアアアアア! これが
どひぃいいいいいい!!
パワーがすごすぎて、魔王さまの体から衝撃波が出てるーー!!
眼鏡が割れそうです!!
す、すごい……。
け、桁違いのレベル……。
「レ、レベル66万……」
ど、どうしてここまでの強化を?
イケメンダール様の悪魔覚醒でもここまで伸びないのに、どうして?
しかし、そんなことはどうでもいいです。強すぎることは確か。
圧倒的パワー。
真面目な話、
「さすがは魔王さまでございます!!」
ザウスのレベルが10万を超えていようと、勝てるわけがない!!
規格外すぎです!!
絶対の勝利!!
無敵の魔王さまです!!
☆
〜〜魔神殺しのアルジェナ視点〜〜
私はお弁当を持って修行館に向かっていた。
修行館っていうのはね、最近、作られたんだけどさ。
回復の泉の横に隣接した建物のことでね。ザウスが修行をやるには魔力を消費するから、すぐに回復できるように泉の横に修行専門の建物を作っちゃったってわけ。
ドォオオオン!!
ゴォオオオオン!!
ドドドドドーーーーン!!
ほぉら、この音。
修行館の外から響いてるわ。
すごい音よね。
ザウスが土魔法で自分そっくりの人形を作って修行をしているのよ。
弁当を持って行かないと休憩しないからな。
がんばりすぎなのよねーー。
修行館に入ると、広いホールの上空にザウスが飛行魔法で空を飛んでいた。
対峙するのは自分の土人形だ。
「ザウスーー! メエエルが作ったお弁当持ってきたわよぉおおおお!」
「……
瞬間。
とてつもない衝撃波が発生する。
ドォオオオオオオオオオン!!
「きゃっ!」
ちょ、ちょっとぉ。
つまずきそうになったじゃない!
「ザウスったらぁああああ!!」
んもう〜〜。
修行に集中して聞こえてないわぁ。
ザウスの周囲から漆黒のオーラが発せられる。
それにしてもすごいレベルねぇ……。
「もうレベル99万で、それ以上の数値が表示されてないじゃない……」
そりゃそうか。
素のレベルが12万だもんねぇ……。10倍したら99万は超えちゃうかぁ。
ドォオオオン!!
ドゴォオオオン!!
バゴォオオオン!!
あちゃあ……。
まぁた始めちゃったよ。
「もっとだ。俺はもっと強くなる!!」
いや、どんだけぇ〜〜。
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