トマト

たった1粒でも

私は嫌いあなたが嫌い

それがあたかも不自然なように

顔を歪めて泣くあなた

言ってしまったことを

自分で後悔させてしまえる

あなたが嫌い

自分では何も出来ないような顔をする

きっとすっごくはっきりと

あなたは物を言えるのに

静かにどこかで分かるくらい

本当は誰にだって好かれるのに

あなたはあなた

私は私

それでいいじゃない

時にあなたはまるでサバサバした男の子みたい

どこにいたってきっと目を引くでしょ

あなたの事を

心の底から必要なんですと

時折あなたは甘々の女の子になってみたり

それは誰もが見てしまうよね

でもね、だからあなたが嫌い

ダメになってしまってザラザラした心を剥き出しにしてしまうから

でもね、だからあなたが嫌いな私が嫌い

だってそれは揚げ足取りのヤキモチなんだもの

あなたはまたあの人とどこかへ出掛けて行くのでしょ？

私の事を好きだと言っておいて

平気で何があったか答えるの

ちっとも悪気なく朗らかな顔で

だから私はあなたが嫌い

大好きなあなたが大嫌い