第6話 真実はどこに
「ご足労いただきありがとうございます」
ぷっくり太った男が私を応接室のような場所に案内する。
「今日水谷さんにいらしていただいたのは、夏目さんの最期に書かれた小説をですね、見ていただきたくて」
「えっ? 見つかったのですか?」
「はい。寝室の棚の中に」
目の前に置かれた原稿に私の目は釘付けになる。
「我々もとても興味深く拝読させていただきました。これは、あなたへのメッセージですよね?」
私は何も答えられず原稿と一緒に置かれた写真を見つめる。それは夏目氏の血痕で読めなかったタイトルが化学処理され、鮮明に読み取れる状態の写真だった。
『私は間も無く恭一郎に殺される』
そう、そこには私の名前が書かれていた。
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