第2話 午後1時

ぐにゃり。ぐにゃぐにゃぐにゃりり。




気づいたら床にいた。どうやら椅子から転げ落ちたみたいだ。からだのあちこちが、いたい、きがする。


床で転げたまま目をぱちくりと開けたり閉じたりしてみても特に異常は無く安心する。なんでこんなことになったんだっけかと、ふと時計を見ると13時を過ぎていた。


ぷーんに起こされたのが11時過ぎだから、2時間弱くらいは寝てたのか?うそだろ……。

なんだか頭がくらくらしてきた。しかし、それにしても眼精疲労にしちゃあ、いくらなんでもおかしい。

これはなにか本格的にマズイかもしれん、とりあえず近くの眼科を探そうとスマホを手に取ろうとした時、背後にあるキッチンから、食欲を誘うようないいにおいがしてきた。誰かの気配さえ感じる。



あれ?ぷーんがいつもの昼寝の場所にいない。キッチンの気配はぷーんとは思えないし……。

気づけば脈がはやくなっていた。自分の鼓動が耳につく。うるさいくらいにドクドクとなっている。ご主人様の一大事に近くに寄り添っていないってどういうことだ。

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