第2回 ある若き豆の飲み会。
第1回を多くの方にご覧頂けましたこと、誠にありがとうございます。薄味、意外と大丈夫かも……と安心いたしました。
今回は、飲み会のお話です。
食事運……といいますか、若き日の豆の上司の方が運悪く……の回でございます。
昔、むかし。
職場の飲み会のことです。
飲み会じたいは、まあまあ平和に終わりました。
ですが、お酒にあまりお強くない方が、多少飲んでしまわれまして。その方の号令で2次会に、となりました。(以下、その方、といたします)
居酒屋に入りました。
その方がいきなりデザートを人数分×2くらい注文。ちなみにお座敷席でした。
そして、その方、デザートにダイブ。
ダイブ、ですが。
上半身だけ、おおいかぶさる感じですね。ばさー、みたいに。
大丈夫です、飛んではおりません。
幸い、何かを察知しまして皆でデザートを避難させましたので、被害は少なめでした。
ところで、お酒。豆は割と飲みます。ビールが好きです。
好きですが、終電で帰宅できるタイプです。
必ずチェイサーとして水を頼みます。
水をピッチャーでお願いしたこともあります。おかげでひどい二日酔いはあまりありません。簡単、かつ、負担のない対策です。ぜひ。
回想の飲み会に戻ります。
「もう帰っていいよ。何とかするから」
あ、優しい上司さんが。
ありがとうございます。
ありがたいお言葉に帰ろうとしましたら、お店の方とすれ違いました。
お店の方はぎょっとしていました。
「お客様……お連れ様を置いてお帰りになるんですか?」
そう言われました。
実は、その方以外にもいらしたのです、酔っている方が。
『(優しい)上司さん一人であの人達を何とかできるの? 酔ってないなら貴方達も帰らないで手伝ってよ!』
多分、店員さんはこんなことを思っていたことでしょう。
で。
「はい、帰ります!」
今、つまり豆ははこならば、こう言えるのですが。
若かりし頃の豆。
何故か、店員さんの言葉に従うべきと感じてしまいました。
仕方なく、戻りましたところ。
「どうして戻ってきたの!」
何とかならなくても何とかしようとして下さっていた優しい上司さん。
怒りではなく、きっと、呆れですね。
そこで。
「お店の方に、帰るんですか? と言われてしまいました」と、正直に伝えましたら。
すると「……ごめんね、きれいなのだから、食べて」。
デザートの一つ、無事だったアイスクリームを頂きました。
……おいしかったです。
そのあと、何とか皆で店外に出まして、豆は終電には間に合いました。
翌日、上司さんはその後のことについてお話して下さいました。
「あの後のこと? 絶対に話したくない」
その一言だけでしたが。
……こちらの飲み会につきましては、人数を省略したり、内容を控えめにしたりとしております。
ただ、店員さんに「お連れ様を置いてお帰りになるんですか?」と聞かれたのは本当です。
そう言えば、めちゃくちゃ丁寧ですね、店員さん。よっぽど置いて帰らないでほしかったのでしょうか。
そう言われましたのは、後にも先にも、この飲み会の時だけでございます。
お酒はご自身の適量内で。どうぞよろしくお願い申し上げます。
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