第55話 次の街アラヤードへ

 1度我が家に戻ったヒカリは思い付いた事があり

王都へと飛んだやはり馬車での移動と比べると断然早い。

王城に向かうと門番が顔を覚えていてくれたようで

すぐに宰相に渡りをつけてくれた。

「いやはやお久しぶりで御座いますなあ、それでいかがなされた?」

「早速ブーヤの街は魔族から開放する事が出来まして、次はアラヤードの街へ向かおうと思っています。そこでお願いがございまして…」


宰相に【空間転移】の転移場所を用意して欲しい事とこれから開放する街にも転移場所が欲しいので、その街の責任者にお願い出来るように王様の許可書の様な物をお願いしたいという事を話した。

頷きながら聞いていた宰相は王様と打ち合わせしてくるのでしばし待たれよと言い残し居なくなった。

1人残され紅茶を飲んで寛いでいると、ニコニコした王様が宰相を伴ってやって来た。

椅子から横に立ちすぐに片膝をつく。

「苦しゅうないヒカリ殿、立つが良い」

「お久しぶりで御座います、王様」

そう言って頭を下げると

「無事で何よりじゃ、フオッフオッフオ」

と おっしゃって下さった。 


王様との打ち合わせも終わり、王都の王城近くの

お取り潰しになって空き家になっている邸宅を貸し与えて頂いた。

また、この国においての天下御免状の様な物を賜った。

これが有ればその街の有力者が力を貸してくれるそうだ。

王様に勇気とヤル気をもらえた事に感謝して王城を後にした。

帰りは【空間転移】でサクッと帰りましたよ。


自宅に戻ってヤル気と体力を回復…と言っても毎晩毎晩と体力を使っている理由だけどさ。

次のアラヤードへ向かうべくパーティーでブーヤの森に【空間転移】した。

この前に魔族から開放した領主館へ行ってみた。

門番はヒカリの事を覚えていたが、領主に確認を取りに行くという。

なので王様からもらった天下御免状を持たせた。


少し時間がかかるかと思ったが奥の方から領主が自ら走ってこちらに向かって来る。

ヒカリの目の前まで来た領主は息も絶えだえで話すことがなかなか出来なかった。

やっと落ち着いた領主は

「この街を救って頂いた英雄様をお待たせして申し訳ない。」

すぐさま謝ってこられたのでここに来た目的である

空間転移用の場所を借り受けた。

中庭にある離れの一室だ


これで次の街アラヤードへ向かう事が出来る。

パーティーと共に行こうとするとアルメリナも宙に浮きながら付いてくるんだよなあ。

別に駄目じゃないけど、邪魔だけはしないで欲しいもんだ。

街の開放も大切だけどもっとレベルも上げないと魔王になんて勝てやしない、その事も忘れずに進んで行こう。

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