第53話 いよいよ北へ…
魔王討伐の旅の準備が出来たので明日の朝には出発しようと思う。
ギルド長に頼んでおいた(魔王がいるという)北部方面の地図も手に入れた。
とりあえず北の峠を越えた所にあったとされる
ブーヤの街を目指そうと思う。
北の峠にあった魔族の砦は滅ぼしたので峠を越えるのに特に問題は無いと思われるがその先のブーヤの街が今どうなっているか情報が無い。
ブーヤの街は、街の人達はどうなっているのか…。
そうそう、ギルドに顔を出した時に大量にあるオーガの肉を半分ほど買い取ってもらった。
200体分だろうか、これ以上卸すと値崩れするのでヤメてくれと言われた。
栄養価満点のオーガ肉が安く大量に出回った事でその日の夜から何日かはノクチの街はあちこちから
嬌声が響き渡った。
翌年のノクチのベイビーブームにヒカリが一役かっていることを本人は知らない。
実は自分の分を残して
ケンタウロスも少し卸していた。
旅立ちの朝、留守番のレオナとミラノさんは僕の身を心配して涙ぐんでいた。
決して無理をしないからと約束して馬車の御者台に
乗り込む。(この旅の為に馬車を購入した)
二人に見送られ、いよいよ魔王討伐の旅を出発する。
御者をラナに任せ、その隣で僕は周辺感知で敵の
襲撃に備えたり、馬車がスムーズに走れるように
念動力で邪魔な物を退けたりなど道を整備したり
した。
ヒカリが整備していった道は後に[ヒカリ街道]として正式に名付けられ人々に永く使われた。
峠に差し掛かりマリンと二人で殲滅した魔族の砦が見えてきた。
特に異常は無いようだなと思った途端に周囲感知に
5つの赤い点が感知された。
ラナに馬車を脇の林に入れ隠れるように指示すると
隠密のスキルを使い気配消し、認識阻害で姿を悟られないようにして赤い点の方へ近づく…。
周囲感知で感知したのはどうやら魔族の偵察部隊の
ようだ。
バラバラにされた砦の跡地を一周すると戻っていった。
おそらくはブーヤの街は既に魔族の手に落ちているのだろう。
その辺りをマリンに聞いてみたのだが彼女はあまりの周りを気にするタイプじゃないので分からないようだ。(そうだとは思っていたけどね…)
とりあえずブーヤの街が見える辺りまで近づき
馬車にはそこで待機してもらい、僕とマリンの二人でブーヤの街に向かう。
馬車にはヨルムもいるし並の魔族じゃ相手にもならないだろう。
マリンは魔族だからそのままで僕は隠密行動で街に
入る。
街の門には特に誰もいない?
街並みも普通だ、建物も壊れた物もない。
しかし、人っ子一人歩いていない。
暫く探索を続けていると多くの赤い点の反応を見つけた。
マリンに声を掛けそちらの方へ近づいてみる。
大きな建物が見えてきた。
恐らくは領主館だろう…魔族に占拠されたか?
様子を伺おうと更に近づいた時に急速に近づく
赤い点がっ…マリンに声を掛けたが敵はマリンの胸に飛び込む!?
「マリン姉さま〜っ!」
どおいうこと〜っ!?
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