第45話 新居での生活を始めよう

 あまりの立派な屋敷に喜びよりも逆に緊張して

中に入った。

吹き抜けの玄関ホールから立派で皆んな一斉に溜息をつく。

取り敢えず食堂に集まりテーブルに家の見取り図を広げる。

僕の寝室と書斎はすぐに決められた。

問題は各自の部屋割だが…、公平になるように僕がクジを作りそれで順番を決めて順に好きな部屋を選んでもらうことにした。


数字が書いてある棒を引いてもらう。

1番を引き当てたのはヨルムだった…ただ彼女は

クジを引く際にクジが入った筒をじっと見つめ誰よりも早くサッと引いたのだ、あやしい…。

彼女は素知らぬ顔で僕の寝室の隣を選んだ。

順番通りに部屋が埋まっていく…。

ミラノさんだけがキッチンの近くの部屋にしたが

あとは僕の寝室から近い順に埋まっていった。


部屋割が無事に決まった所で家財道具や生活必需品を皆んなで買いにいく。

僕のキングサイズのベットに人数分のベットやドレッサーなんかも買っていく。

ミラノさんからは調理器具のリクエストもあった。

今日のところは思い付いた物だけ買って、あとは追々揃えていけばよいだろう。


今日はミラノさんを休ませて僕が晩御飯の用意をしようと思う。

皆んな大好き(だと自分は思っている)カレーを辛口と甘口の2種類を作る。

米がまだ見つかっていないので今日のところはナンで食べようと思う。

万が一、カレーが駄目な人がいても困るので一応グレートボアの肉を細切れにして更に包丁で叩いた粗挽き肉にほんの少し残っていたミノタウロスの粗挽き肉を混ぜた合い挽きにしてハンバーグも作った。


カレーの匂いがしはじめるとマリンが僕の周りを行ったり来たり…。

「ダーリン、もう…がまん出来んかも」

「ダメダメ、皆んなで一緒に食べるんだよ」

「だって、匂いがっ、匂いがあ…」

なんとかマリンをステイさせて皆んなでカレーを

食べる準備が出来た。

食べ始める前にそれぞれにグラスを持ち

「皆んなの新しいスタートに乾杯〜ぃ!」

「「カンバ〜イ!!」」

マリンは乾杯が終わるやいなやカレーを頬張る。

「カラ〜イッ!でもウマ〜イ!」

小さなミイシャには甘口にしたが大丈夫ようだ。

誰もカレーが駄目な人はいないみたいで良かった。

折角作ったのでハンバーグも出してハンバーグカレーにして食べてみた…、これも美味い。

それを見て皆もマネし始めた。

「「ウマ〜イッ!!」」

大満足の引っ越し祝いになって良かった。


ミィーの部屋は僕の書斎にした。

寝室だと多分うるさくて眠れないからね。

皆んなにカレーをご馳走したのでミィーにはマタタビをあげた…スリスリしてきて可愛い。

その後は当然のように僕のベットには次々に彼女達が訪れる…3周目に入ったところで夜が明けた。

全員3回で揃えよう。

これは冒険に支障が出る為、曜日制を導入するしかないね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る