第44話 フローランドの光

 あくる朝、ギルドに顔を出そうと通りを歩いていた時に不意に気配を感じて振り向くといきなりヨルムが胸に飛び込んできた。


「ヒカリ〜、逢いたかった〜っ!」


「ああ、僕も逢いたかったよ。もう用事は済んだのかい?」


「女神にも確認をとって無事に許しを得たわ。

もうずっと一緒よ」


僕は胡蝶蘭の意匠が施された指輪を渡しその意味を教えた。

そして首飾りはホワイトを渡す。


「私は今まで幸せなど思い付きもしなかった。今この溢れ出る気持ちが幸せという物なのか…」


ヨルムは左手の薬指にはめた指輪を握り締め涙を流した。

彼女を抱き寄せ背中を擦りながら落着くのを待つ、

ギルドに行くのを後回しにして皆んなに紹介することにした。

今ならまだ僕の部屋かマリン、ラナの部屋にいるはずだ。

宿に戻るとミラノさんを見つけたのでヨルムを紹介する。

和やかな感じで受け入れられホッとする。


僕が泊まっている部屋に入るとベットにレオナとシンシアが寝ていた。

二人を起こすと挨拶もそこそこにバタバタと服を着始めて


「ヒカリ君、初対面なのに酷いよ〜。せめて服を着た普通の状況で挨拶したかったわ」

「そうよ、まったくもう〜」


レオナとシンシアに責められる。


「配慮が足りず申し訳有りません」

「私なら気にしてないから大丈夫よ、なにせヒカリのすることだしね」

「それもそうね」

「ね〜」


何故か女子3名は意気投合している…なぜだ?

マリンとラナはもう知り合いだし挨拶は要らないだろう。

ヨルムも戻ってきた事だし正式にパーティー登録を

することをレオナに相談する。

僕、マリン、ラナ、シンシア、ヨルムの5人でパーティーを組むのだ。

パーティー名は《フローランドの光》にすることにした。

そしてレオナもあと10日でギルドを辞めて家庭に入る事にしたと伝えられる。

皆んなで入る家も何時でも入れるようだ。


パーティー登録をしたら皆んなで家を見に行き部屋割をして、その後は皆んなで必要な家財を買いに行くことにした。

パーティー登録をしたあと、レオナは有給消化が残っているので今日は休みにするらしい。

いよいよ皆んなの新居に向かう。

ドキドキとワクワクが止まらない。

高級住宅地を進んでいくと目的の豪奢な建物が見えてきた。

皆んなで立派な門の前に立つ…、皆んなアングリと

口を開けたまま動かない。

誰もがこんな立派な屋敷に住めるとは思っていなかったのである。

後ろでマリンとラナがホッペをつねり合ってる。

ミイシャはミラノさんの腕をとりブンブン振っている。

シンシアは立ったまま気を失ってる?

ヨルムはイマイチよく分かっていないようだ。


とにかく今日からここが僕達の帰る場所だ!

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