第39話 サキガワ市到着
朝を迎えいよいよギルド本部へ向かう日だ。
式典にどれ程時間がかかるかも分からないのでミィーには今回も留守番をお願いすることにした。
ギルドがチャーターしてくれた馬車は一見高級な作りに見られたが乗ってみるとやはり段々と腰や尻が痛くなってきた。
何気なく乗っていた前世の道路事情や交通機関に感謝である。
ふと、思い付いて【飛翔】で浮いてみた。
おお、上手くいってケツが解放された。
寝そべった姿勢で浮かぶ、実に快適だ。
ふと見ると、マリンも僕の真似をしていた。
「二人ともズルいです〜」
ラナだけが浮かべずに愚痴る。
無限収納からクッションを出してそれで我慢してもらう。
道中、魔物なんかの襲撃で時間が取られるのも嫌なので結界も張りっぱなしにしておいた。
結局なんの問題も無かったので、2日目の夕方にはサキガワ市に到着した。
ノクチの街に比べると遥かに大きい街だ。
街の門を通ってから我々が今晩泊まる中央区のホテルまで1時間ほどかかった。
着いたホテルも驚くほど大きく立派だった。
フロントに赴くと名前を告げ、僕の冒険者カードを
渡すと対応が敬々しくなり
「すぐにお食事のご用意も出来ますがいかがなさいますか?」
「うむ、そうだね、食事を先にしてもらおうか。風呂はどうなっているのかな?」
「はい、浴室付きのお部屋をご用意させて頂いておりますので24時間お好きな時にお入りになれます」
まさに至れり尽くせりだ。
豪勢な食事を終え、部屋に付いている浴室に浸かる
1人で入るには大きすぎるくらいの風呂に足を伸ばし伸びをする。
明日は朝からギルド本部で式典の打合わせだ。
ゆっくり寝たいものだがそうもいかないようだ。
「ダーリン、きったよ〜」とマリンが
続いて
「ご主人様、お背中流しますわ」と
ラナが乱入してきた。
そうだよね、そうなるよね〜。
馬車での移動中は我慢させていたので、こうなる事は予想していたのだ。
この人達が相手だとキリがないので二人とも2回イッたら今日は終わりねと約束したが…。
明らかにビクビクと痙攣したにもかかわらず、口を押さえ声を我慢してイッテないと言い張る二人…。
ラチがあかないのでギアサードに入れて白目をむくまで攻め立てて終了させた。
マリンの場合は2回くらい復活したので苦労したが
明け方までには眠りにつくことが出来た。
朝食を終えギルド本部に出向く。
受付で用向きを伝えるとギルドの総括という人物が
出てきた。
「ようこそお出で下さいました。私はギルド総括のジゼル・アゼルバイジャンと申します」
「ヒカリ・ヒガシノです、よろしくお願いします」
挨拶が終わると式典の流れや形式、作法を説明され
用意してくれた礼服の試着と調整をした。
マリンとラナもパーティーメンバーとして参列は
出来るが、礼服のは僕の方で用意しなければならないようだ。
参列するだけなので礼服も簡易的な物で良いらしい
一通り説明も終わったので今日は二人の礼服を買いに行ったら自由時間にする。
3人でサキガワの街を散策した。
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