第27話 旅は道連れ…
マリンを連れてノクチの街に戻りながら彼女を
どうやって街の中に入れるかを悩んでいた。
何しろヒカリより背が高いという点で目立つ。
しかも頭には角もあるし、髪も燃えるように赤い…
そんなことを考えながらも先程からチラチラする
後ろの気配を気にしていた。
「マリン、気付いてるか?」
「とうぜん」
「あの大岩を越えたらすぐ脇に隠れるぞ」
「わかった」
素知らぬ振りで歩き、大岩を過ぎた瞬間に脇へ
跳ぶ。
物陰に隠れながら様子をうかがっているとフードを
目深に被り目立たぬ色のマントを羽織った人影が
現れた。
キョロキョロと辺りを見廻す人影の前に【瞬間移動】で現れる。
「どなたか、お探しですか?」
「なっ!?」
慌てて逃げ出そうとする所にマリンが通せんぼする
「うう…」
「多分、僕とその子からは逃げられませんよ」
そう言うと
「いっそ、殺して皆の元に逝かせて下さい!」
この人は何を藪から棒に言ってるのかな?
「えっ、何を急に言ってるんですか?」
「惚けないで下さい!アナタ達は私達のエルフの里を滅ぼしたではありませんか!」
「え〜、そうなのマリン?」
「ん〜?、あっ!思い出した。ブラムがエルフの里を皆殺しにするって言ってた」
「んで、マリンも一緒に戦ったの?」
「うんにゃ、マリンはその日、生理になった、マリンの生理は重いから機嫌が悪いと仲間も殺すから
来なくていいってブラムが言うから寝てた」
…マリン、本当に恐ろしい子…
「そういうことらしいよ、あ〜それから砦を見てきたら分ると思うけど、あれは僕とその子が殲滅させたから、所謂アナタのカタキ?をとったのよ」
「話はわかりました。それでは私はどうしたら良いのでしょうか?」
「そんなこと僕に聞かれてもねえ?」
「ん〜、ダーリン強い、ダーリン優しい、ダーリンイケメン、だからお前もダーリンにつくせ!」
「……。」
「マリン、そんな褒めても何も出ないよ」
「ん〜、ダーリン夜にいっぱい出すから好き!」
「……ポッ」
「おいおい、勘弁してくれ!」
「…わかりましたわ、何処にも帰る場所のない私、カタキを討っていただいた恩人の貴方様に仕えますわ、…それに夜のいっぱいも……ポッ」
「私はハーフオーガのマリンだ、宜しくな」
「僕はヒューマンのヒカリです」
「私はハイエルフのラナ・エクレール、ラナとお呼び下さい」
こうしてマリンとラナという仲間を得てノクチの街に戻るのであった。
…
…
…フローラ様、この二人も貴女の思し召しですか?
(その件は、ノーコメントです)
街に着くまでに3人で相談した。
エルフは受け入れられるそうだ。
(ただし、男どもに注意しなければイケない。
エルフには憧れがあるらしいのだ)
問題はマリンだ。
彼女はハーフだが魔族の血も流れている…。
するとラナが
「私の幻影魔法をかけるのはいかがでしょう?」
そう言ってマリンに魔法をかけた。
パシュッと煙が消えた後、そこには165cm位まで小さくなった、マリンがいた。
当然、角も付いていない。
「いいねえ、カワイイねえ」
「ダーリン、夜まで待てなくなりそ」
…マリン、本当に恐ろしい子…
「それでは参りましょう」
これでスンナリ街には入れそうだ。
問題はレオナさん達になんと説明すれば…
言い訳?を思いつく前にノクチの街に到着した。
それぞれの分のお金を払って街に入った。
もう、当たって砕けろだ。
あらいざらい話そうと心に決めたヒカリだった。
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