第24話 オーク集落殲滅後…
なんとかオークの集落を殲滅することに成功したが
こちらの被害も少なくはない。救護チームが作られ
それ以外の無事な冒険者は魔石などの回収にあたった。僕は唯一の(パーフェクトヒール)の使い手なので身体の一部を欠損した重症者の治療にあたった。
流石に死んだ者を蘇らせる事は出来ないがなんとか
魔力切れも起こさずに治療を終えた。
間もなく迎える夜の為にマジックポーションを飲み結界を張る準備をする。
シンシアも別の場所で行っていた治療を終えて僕の横へ来て何も言わずに座り込んだ。
幸い『ノクチの光』のメンバーは全員無事だったが
シンシアの魔法学校の同級生が何人か亡くなったらしい。僕は何も言わずに抱き寄せ胸に顔を付け静かに泣くシンシアの頭を撫で続けた。
魔物との戦いは常に死と隣り合わせなのだと思い知らされた。
出来ればシンシアには何時も笑っていて欲しい。
その為には僕はもっと強くならなければいけない。
恐らく魔王との戦いは今日よりも厳しいモノとなるだろう…。
そんな事を考えているといつの間にか胸の中でシンシアは眠っていた。
無理もないシンシアはまだ18歳の少女なのだから
心身共に限界なのだろう。
僕は身体は15歳でも前世では32歳だったのだから平気ではないが大丈夫だと思いたい…。
シンシアも寝てしまったので自分に出来る範囲の結界をはり、無限収納から毛布を取り出してシンシアと一緒にくるまった。
拾い集め積んでおいた枝の山に(ファイア)で火を着け焚き火を起こす。
その火を見つめながら上がったレベルの確認をする
レベル17で増えた能力は
【魔力吸引】…相手から魔力を吸い取り自分の魔力
にする
攻撃魔法は(サンダーブレード)自剣に雷系の魔力を
纏わせる
回復魔法は(パーフェクトヒール)
レベル18で増えた能力は
【熱耐性】…物理及び魔法による熱に耐性を持つ
攻撃魔法は(ファイナルファイア)
回復魔法は(パーフェクトキュア)
成長はそんな感じだ、まだまだ足りないな…
僕もちょっと眠ろう…
シンシアを抱き締め目を閉じた…。
次の朝、ギルドに戻る人々に余計な会話も笑顔も
無かった。
ただ、僕を見つけた人達はお礼を言ったり畏敬の
眼差しで僕を見ていた。
ギルドに戻ると僕を見つけ無事を見て取ったレオナさんは僅かに微笑んだ。
ギルド職員は拾得物や魔石の換金、貢献度の査定
亡くなった者の家族への見舞金の計算等大忙しで
挨拶の声だけ掛けて宿に戻った。
ミャーは僕を見つけるなり飛び付いてきた。
「ごめんよミャー、君を危険な目に会わせたくなかったから…ゴメン」
胸に抱き締め一生懸命に謝った。
その姿を入口のドアの陰から見ていたミラノさんの
目にも涙が光っていた。
今日はもう休もうと宿に入りミラノのさんに挨拶し
オークの肉を手渡す。
部屋に上がろうとした時に後ろから抱き締められた
「すごく大変だったって聞いた…、死んだ人もいた
という話も聞いた…だから無事で良かった」
もう一度強く抱き締めたあと、
「もう大事な人が死ぬのは嫌なの…だから…だから
ありがとう…帰って来てくれて」
そう言って彼女は静かに離れて行った。
彼女に掛けるべき言葉を今の僕は見つけることが
出来なかった…。
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次回、それは新たなる敵なのか?それとも…
ファンタジーを書いてるとラブコメが書きたくなる
書くのに行き詰ると全く他の話を書くとまた話が
浮かんで来るんだよね
と言うことで ラブコメも書いてみました。
お時間がございましたらよろしくお願いします。
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