第23話 白い閃光
西の渓谷奥のオークの集落を攻略することが本決まりになった。それについて僕もボルノさんのパーティーの1員として参加要請される。
乗りかかった船だし受けることした。
そしてこの参加が僕の名を知らしめ、ふたつ名の元となる戦いとなる。
その日の朝はどんよりとした曇天だった。スッキリとしない空に少し嫌な予感がしながらもギルドの集合場所に急いだ。宿の出掛けにミャーをミラノさんにお願いしたのだが今日に限ってミャーが言う事を
聞いてくれず大人しく留守番してくれない。
半ば強引に扉を閉めておいてきた。(ゴメンな…)
攻略に参加するメンバーはほぼ出揃っていた。
全てシルバーランク10パーティー、総勢62名だ
そんな団体で纏まって進むわけにもいかず、それぞれのパーティーに分かれて等間隔に分散して進む事となった。前回、偵察しているパーティー『ノクチの光』は先頭で誘導する事となる。
集団は順調に進み横穴を抜け砦が見えてきた、オカシイ…?僅かな違和感を僕は感じていた。
あまりにも順調過ぎるのだ。
しかし、僕の探索マップの魔物の存在を示す赤い点の分布にも以上は見受けられない。
でも、変な違和感を感じ続ける。
後続のパーティーも追い付いて砦を遠巻きに囲む
ボルノさんの合図で各パーティーのウィザードが一斉に火系の魔法を砦に放ちアッという間におとす。
集落の門を打ち破り、鬨の声を上げ怒涛の勢いで
皆で一斉に突入した…その時だった。
各人の足元が光り、ある者は雷に撃たれ、またある者は炎に焼かれる、その他には空から降った岩に押し潰される者、突如消え去る者とそれぞれ満身創痍の状態だ。壊滅する…かも。
気が付くと僕の後ろにいたはずのシンシアがいない
クソっ!魔法陣で飛ばされたのか?
オークにマジシャンがいるなんて聞いていないが
これは魔法陣の罠が張り巡らせていたのだ。
【瞬間移動】で先頭に出た僕だけがその罠にかからなかったようだ。
状況を打破する為に僕が(エリアヒール)を使った時に悲鳴が聞こえた…?その声が聞こえた方を探すと
200メートル程先に見えるオークプリンスがヨダレを垂らしながらシンシアの片足を持ち逆さ吊りにして身体を舐め上げていた。僕はブラックシリーズの剣から流星剣に持ち替えこちらに向かってくる敵を横薙ぎ回転斬り、空中回転斬りと滅多矢鱈と斬りまくる。
ある程度の周りの敵を僅かの間に屠(ほふ)り仲間が立て直す目途をつける。
次にはすぐさまオークプリンスの元へ【瞬間移動】をする現れた瞬間にオークプリンスの腕を斬り飛ばしシンシアを抱き止める。「待たせて済まない」
そう言って
【瞬間移動】でレオンの治療によって復活したタンクのオレガノの下に移動する。
シンシアにクリーンをかけ額にキスをしてからオレガノに預けた。
再び戦場に戻ろうとした時、片腕を失い倒れている
ボルノさんを見つけた。
駆け寄りすぐさま、(パーフェクトヒール)をかけると失った腕が復元されてゆく、顔色も元に戻り意識もハッキリしたようだ。
(実は先程、魔物を倒しまくった時にレベルが上がってパーフェクトヒールを覚えた)
「あとは任せて下さい」
そう言って駆け出す。
そこからは遠慮無しに斬りまくった。
【スピード】や縮地を使い目にも止まらぬ速さで
敵を切り裂くあたかも豆腐でも斬るようにスラスラと流れるように斬り裂いてゆく。
あまりの鬼神ぶりに逃げ始めるオークさえいたが
怒りの治まらないヒカリの速さから逃げきれる者などいるはずもない。
ついにはヒカリに切り落とされた腕を治療中のオークプリンスの下に辿り着く。
治療をしていたオークマジシャンの首をはねると、
オークプリンスの目が恐怖に染まる。
腰を抜かし四つん這いで逃げる。
仄暗い闇の中を白く輝く光りが走る。
そう、まさしく"白い閃光"の誕生である。
オークプリンスの断末魔の声がオーク集落の殲滅
を告げた。
ヒカリが1人で倒した敵はゆうに100を超えたと
いう…伝説の始まり、そう言われた戦いであった。
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次回、新たな恋の予感?
別な意味での伝説も始まるのか?
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