第12話 更にレベルアップする為に
ゴブリンでのレベルアップに頭打ちを感じた僕は
朝のギルドでボルノさんを捕まえ、経緯(イキサツ)を話して教えを請うた。
「なるほどな、それならオレらと一緒に西の渓谷に
行ってみるか?」
「おっ、お願いします!」
ボルノさんから彼のパーティー『ノクチの光』の
メンバーを紹介されました。
シーフのガレフさん、タンクのオレガノさん、プーリストのレオンさん、ウィザードのシンシアさんと
ファイターでリーダーのボルノさんの5人パーティーだ。
「ソードマンのヒカリです。まだまだ新人なので
ご指導よろしくお願いします」
「「よろしくな(ね)!」」
気持ちよく受け入れられ安心する。
「よし、準備が整い次第、西の渓谷へ向かうぞ」
それぞれに準備の確認をして、西の渓谷へと出発
する。
今回の冒険は野営や他のメンバーとの事があるので
ミィーに留守番することを納得してもらい、ミラノさんにあとをお願いした。
街を出たあとは暫く草原が続く、ふと思いついてボルノさんに耳打ちする。
というのも僕以外のメンバーはそれぞれに荷物をもって歩いている。不意の野営などもあるためだ。
一応シーフのガレフさんが、【気配察知】を使っているので、いきなり魔物に襲われる事はないだろうが、手ブラにこした事はないだろう。そう思い、
「実は僕、ケッコウ大きめなアイテムボックスが
使えるんです、なので皆の荷物を入れようかと
思うんですが…」
「なにっ、アイテムボックス持ちなのか?」
「はい、そうですけど?」
「ん〜、悪い事は言わない、その事はあんまり他の
人にはいうな。騙されて利用しようとする悪党も
出てくるはずだ。」
「そ、そうなんですか?」
「ああ、間違いない。だがなウチのメンバーは口が
堅いし信用出来るんで、お願い出来るか? 」
「もちろんですよ!」
「おう、みんな聞いてくれ、実はヒカリはアイテ
ムボックスが…」
ボルノさんがメンバーに説明すると口々に誰にも事を約束して荷物を手渡してくる。
あまりにひょいひょい入るので驚かれたが、身軽に
なった皆んなは大喜びだった。
そろそろ渓谷に差し掛かろうとした時に先頭のガレフさんが皆をハンドサインで止める。
どうやらこの先に魔物がいるらしい。
茂みの中に入り、前方を探すと大きめの魔物が見えた、鑑定するとオークだった。
「オークのようですね?」
ボルノさんに話し掛けると
「ああ、1頭だけのようだな。どうだヒカリすぐに
フォロー出来るようにするから、1人でやって
みないか?」
「任せて下さい。やってみます」
取り敢えず仲間にはまだ攻撃魔法は見せずにおこう
オークのレベルはさほど高くない、【身体強化】と
【スピード】を使えば十分に倒せるだろう。
身体に付与を無言でかけて茂みから飛び出す、縮地を使い一瞬でオークの胸元を切り裂く、身じろぎすら出来ずに倒れるオークの心臓にトドメをさす。
鑑定を使いオークが完全に死んだのを確認してメンバーに振り返ると?
ポカンと口を開け呆然と立っている。
「どうかしました?」
「「どうかしましたじゃねえよっ!(ないよ)」」
どうやら驚かせたらしい。冒険者になって数日と聞いている若者がこれほど強いとは想像出来るはずも
ないと口々に言われ笑いながら肩を叩かれる。
仲間って温かいな、そう思った。
オークは僕が1人で倒したからということで、魔石も肉も僕がもらえることとなった。
さあ、どんどん倒してレベルを上げるぞ!。
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