第11話 転移後の初めてのデート?

 レオナさんと食事をする約束をした僕は急いで

宿に戻り、ミィーにエサを与えて留守番のお願いを

する。(仕方のないヤツだなというような目で…)

あとは中庭の井戸で水を汲み汗と汚れを落とす。

 15歳の身体だとヒゲも殆んど生えていないので

ヒゲを剃らなくて済むのが地味に助かるな。

そういえば、着たきり雀で普段着やお出掛け用の服など持っていなかった事に気付いた。

どうしよう?…時間はまだあるな。

ミラノさんに服屋の場所を聞いて急いで買ってきて

着替える。何とか時間には間に合ったな。


 待ち合わせの公園のベンチに着いたがレオナさんはまだ来ていないようだ。

ほっと一息ついてベンチに腰掛ける。

周りを見回すと薄暗くなり始めていて子供の姿も無く僕に1人のようだ。

15分くらい待っただろうか、後から


「ヒカリ君お待たせっ!」


とちょっと息を切らせたレオナさんが立っていた。


「お仕事お疲れ様です、レオナさん」


そう返事をしながら立ち上がるとスッと走りより

自然に僕の腕を取り身体を寄せてきて


「じゃ、行きましょ、もうお腹ペコペコよ」


そう言って腕を取り歩き始める。

モロに豊かな膨らみが、僕の鼓動を早鐘のように

鳴らせる。


 ドギマギしながら歩く僕は、半分うわの空でレオナさんと話しながらオシャレな感じの店に辿り着いた。

おお〜、異世界にもこんなにお店があるんだなぁ。

オシャレな服のメイドさんに案内されて奥のボックス席に通されレオナさんを先に座らせ席に着く、


「オシャレなお店でしよ、1度来てみたかったの」


小声で、囁かれ


「素敵なお店ですね。浮いていないか心配です」


「大丈夫よ、それに今日の君、カッコ良いわよ」


お世辞だとしても嬉しいな。

思わず赤くなってしまう。

それから2人はオーク肉のフィレステーキセットを

オーダーして他愛も無い話をする。

話しの中でレオナさんから好みの女性のタイプを

聞かれたので、優しいお姉さんタイプと答えると

ニッコリと微笑みを浮かべられた。どうやら上手に

答えられたようだ。

その流れでレオナに好きな男性のタイプを聞くと


「ヒカリ君のような可愛い子も好きよ」


と、熱い眼差しで見つめられてしまう。

前世でもそんな経験のない僕は、頭から湯気が出そうなくらいに照れてシドロモドロになってしまう。

冒険の攻略はチートでなんとかなりそうだが、恋の

攻略はマダマダだなと実感する。

しかし、のちのち恋の攻略すらもチートを発揮出来ることをこの時の僕はまだ知らない…。

この後出てきたステーキセットは多分スゴイく美味しかったと思う…。

思うとしたのは、食べている間にテーブルの下では

レオナの脚が僕の足にちょくちょく触れていたからである。

店を出る際の支払いはなんとか僕が出させて貰う。

外はすっかり暗くなっていたので彼女をギルドの

女子寮まで送った。


「今日はご馳走様、私から誘ったのにね」


「イエイエ、とっても美味しかったです。それに…楽しかったです」


そう答えると、彼女はサッと身を寄せ


「私も楽しかったよ、ありがと」


そう僕の耳元で囁くと頬にキスをして手を振りながら呆然とする僕を残して寮に戻っていく。


……その後、宿に戻った僕が、寝ているミィーを

 起こさないように自家発電に励んだのは言うまで   

 もない。

 だって15歳の身体はそんなモノでしょ?





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