第10話 ゴブリンじゃ頭打ち?

 新しい装備も手に入れたし今日もレベル上げを

頑張ろう。ボルノさんにお礼をして宿に戻る。

ミラノさんからお弁当を受け取ったあと、ミィーを

預けていたミイシャのもとへ行くと楽しそうに遊んでいた


「ミィー、僕は魔物狩りに行ってくるけど、君は

 お留守番してミイシャと遊んでるかい?」


そう声を掛けると鳴き声もたてずに僕の肩に跳び乗った。どうやら留守番は嫌らしい。

本当は危ないから留守番してて欲しいけど嫌がるんだよね。ミイシャに行ってきますと言ってギルドに向かう。


冒険者ギルドでレオナさんに今日の予定も薬草採取と魔物狩りに行きますと報告すると「気を付けてね

」と見送られる。

南の森に着いたが昨日の場所は薬草を採ってしまったので別の場所を探そうと


「(薬草)探索!」と唱える


この近くにはあんまり沢山ないな…泉の近い所に

沢山の緑の点がある。泉の奥じゃないから大丈夫

だろう、今日も沢山採るぞ。

泉が見えてきた、鑑定で見てみるとあるある沢山の

薬草が群生していた。ニコルさんからもらったシャベルで掘ると抜群に掘りやすい。

夢中で薬草を採取していると肩口を何かがかすめた

咄嗟に盾を構える。

カンカンと飛んできたものを弾く、弓矢の矢だな。


「(魔物)探索的」


うわ、囲まれている。泉を背にジリジリと下がりながら敵の姿を探す…茂みの中にいたっ、鑑定すると

ゴブリンアーチャーらしい。


「魔力強化」「ウォーターバレット」


見つけたアーチャーを素ばやく仕留める。


「結界!」


「「ギーッ!!」」


近くに寄ってきていたゴブリン達がそれ以上近付けなくて騒いでいるようだ。

これならやれる。やってやる。

まずはアーチャーとマジシャンを魔法で倒していく

レベルも上がってるからか魔法の威力も上がってる

次々倒して、あとは普通のゴブリンだけだ。

結界を解く、さぁ新調した鉄の剣の切れ味を試すぜ

と回転するかのように剣を振る。

切れる切れる、銅の剣と雲泥の差だ。

囲んでいた全てのゴブリン達をあっという間に殲滅した。20匹以上いただろう。


「(魔石)探索」


あちこちに散らばる魔石や素材を拾い集めた。

ふと考えるとこれだけ魔物を狩ったのにレベルが

上がっていない? そろそろゴブリンじゃレベルが

上がり辛くなってきたのかもしれないな。

そんな事を考えながら先程の薬草の採取の続きを

する。今日は薬草を取り終わったら帰ろう。


昨日のより早くにギルドに戻った僕にレオナさんが


「おかえりなさい。そうそう無理をしない事が

 大事なのよ」


そう言う彼女の前に今日の成果を全部出すと


「……?これ、無理をしてないのよね?」


「はい、特に危ない事はなかったです」


「そう…頑張ったわね」

(無理をせずに…これは本当にモノにしなくちゃ)


昨日より多めの換金をすませレオナさんに挨拶を

して帰ろうとすると後ろからレオナさんが


「ヒカリ君、私もうすぐ仕事が終わるの、だからね

 一緒に晩御飯食べない?」


「えっ、僕とですか?」


「とっても美味しいお店を教えてあげるわ。ダメか

 なぁ?」


上目遣いで見つめてくる。

(断れるワケないじゃん。)


「行きます!行かせていただきます!」


「じゃあ、半刻あとに広場の噴水前でねっ」


僕は急いで宿に戻り、ミィーにエサをあげて

留守番してもらう。


さあ、これからこの世界に来てから

初めてのデートが始まる。


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