第8話 南の森へ冒険に行こう

 「ミャー、ミャー」


ミィーにテシテシと叩かれて目を覚ます。

どうやらトイレに行きたいようだ。

僕もトイレと洗面を済まそうと連れ立って下に降りる。下に降りるとミイシャにあった。


「おはよう、ミイシャ」


「おはようお兄ちゃん、ミィーちゃん」


今日もミイシャは元気いっぱいだ。トイレと洗面の

場所を聞いた。洗面は中庭の井戸を使うらしい。

冷たい水で顔を洗うとシャキッとした。

朝食のサンドイッチを食べて冒険者ギルドに顔を

出す。朝はさすがに冒険者で溢れていた。

僕の顔を見つけてボルノさんが近付いてきて


「おはよう、今日は早速依頼でも受けるのか?」


「おはようございます、依頼と言ってもまだ冒険者  

 になったばかりですから、地道にレベルを上げよ

 うと思います」


「そうか、なら南の森の入り口辺りで弱い魔物を

 狩るのがいいだろう、だがな森の奥のその先に

 泉があるその辺りにはゴブリンの村があるから

 1人で行くなよ」


「わかりました、ありがとうございます」


「ああ、あとな森の入り口でも薬草は有るから見つ

 けたら取ってきてギルドに卸しな。薬草採取は常

 設依頼だからポイントが上がるぜ」


「親切にありがとうございます」


ボルノさんと話をしているとレオナさんと目があったので近付いて挨拶をする。


「おはようございます、レオナさん」


「おはようヒカリ君、今日はどうするの」


「ボルノさんに教えて頂いた薬草採取をしようかな

 と思うので南の森の入り口に行ってきます」


「それがいいわね、くれぐれも無理をしちゃ駄目よ

 危なくなる前に必ず逃げるのよ」


「はい、気を付けて行ってきます」


「はい、いってらっしゃ~い」


レオナさんに見送られギルドをあとにした。

宿にミィーを迎えに行くとミラノさんから

サンドイッチのお弁当を持たせてもらった。

南の森は体感で3〜4キロといったところだった。

まずは薬草を探そう。


「(薬草)探索!」


目の前にマップが現れ緑の点が左の方には沢山ある

ようだ。そちらに近づき


「(薬草)鑑定!」


すると目の前の草の中にマーカー付きの草に薬草と

表示されている…本当にチートだな。

薬草を傷付けないように根の回りを銅の剣で掘り起こす(これはシャベルが必要だな)沢山あるから

どんどん採っていく。だけど全部は採らないんだよね、育ちきってない小さなものは残さなきゃ次に

困るからね。夢中で薬草採取をしていると


「ピキィー」と鳴き声がして額に1本の角がはえた

ウサギが飛び込んでくる。落ち着いて薬草を掘るのに使っていた剣をウサギ向けると剣に突き刺さって

消えた。あとには角とウサギの肉が残っていた。

お肉は宿にお土産にしようかな。

その場所にある薬草はあらかた採った。

次はレベル上げだ。


「(魔物)探索」


目の前のマップに赤い点がいくつか浮かぶ、近い所から狩っていこう。ゴブリンや一角ウサギを何匹か

狩ったあと、こん棒ではなく杖を持ったゴブリンを

2匹見つけた。

鑑定するとゴブリンマジシャンと表示された。またその際に頭に《魔力強化》という言葉が浮んだ。

ステイタスを見ると《魔力強化》という能力が使えるようになっていた。その他に(ウォーターボール)と(ウォーターバレット)という水系の

魔法が使えるようになっていた。


着実に強くなってる、頑張ってレベルを上げようと

ヤル気がみなぎる。

まずは目の前のゴブリンマジシャンを倒す、何を使うか頭にくる浮かぶ。


「魔力強化!」

「ウォーターバレット!」


魔法を撃つ、するとゴブリンマジシャンへ向けた

指先から水の弾丸が発射された。

眉間を撃ち抜かれたゴブリンマジシャンは黒い霧と

なった。

もう1匹のゴブリンマジシャンが火の玉を撃ってくるのをなんとか躱す。あぶね〜っ。


「ウォーターバレット!」


もう1匹をサクッと倒した。

緑の魔石と杖を2つずつ拾った。

魔石は通常のゴブリンのモノより少し大きかった。

頭の中にレベルアップを感じた。

よしよし、順調だね。

新しく使える能力は《結界》が増えた。

ある程度の強さの魔物何かの侵入を防げるようだ。

あとは火系の(ファイア)と(ファイアロー)を

覚えた。回復魔法の(ヒール)も覚えてる。

レベルアップが楽しくて堪らない。

夢中で魔物を狩り続けもう一つレベルを上げた。

新しく使える能力は《スピード》どうやら素早さアップと縮地が使えるようになるらしい。

魔法は土系の(ロックバレット)と(ロックウォール)を覚えた。回復魔法は(キュア)という解毒魔法を覚えた。

気が付くと空が茜色になっていた。

夜になる前に帰ろう。無理は禁物って言われたしね


ダッシュで帰ると冒険者ギルドでは心配顔のレオナ

さんが待っていた。


「無理しちゃダメよって言ったじゃない」


「心配させてごめんなさい」


「もう、無事に帰って来たならもういいわ、おかえ

 りなさい」


「ただいま、レオナさん」


「薬草の納品と魔石とかの買い取りをお願いしま

 す」


そう言って、沢山の薬草と魔石、一角ウサギの角と

こん棒、杖をいくつか出す。


「ヒカリ君、頑張り過ぎよ」


少し呆れ顔のレオナさんだった。


「はい、薬草の納品が銀貨2枚、魔石は全部で

 銀貨3枚、その他の素材は何かは銀貨2枚と

 銅貨5枚なるわ、初日なのにスゴイわ」

(ホントに超優良だわ、顔もカワイイしね…)


「ありがとう、あと…武器や防具のお店を教えて

 欲しいんですけど、いいですか?」


「そうね…、それならボルノさんに聞くといいわ

 今なら隣りの宿の食堂で飲んでると思うわ」


「はい!聞いてみますね」


ギルドを出て宿に帰るとミラノさんに迎えられた。


「ただいま戻りました」


「おかえりなさい、ヒカリ君」


挨拶を済ませたあと、お土産のウサギの肉を手渡し

あと1週間の宿泊延長の料金を支払った。


「こんなに沢山ありがとう!」


取ってきたウサギの肉はなかなかの量だったので

ミラノさんは大喜びで僕に抱きつきホッペにキスを

してきた。すると、後ろで見ていたミイシャも私も

すると言ってホッペにキスをする。

(モテモテでウレシイな)




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