第6話 宿屋を決めた

 冒険者ギルドを出たヒカリはその足で隣りの宿屋

に向った。宿屋に入ると小さな女の子と目があうと


「カワイイ」


そう言ってこちらに駆け寄り肩の上のミィーに手を

伸ばす。


「こんにちはお嬢ちゃん」


ヒカリはしゃがみ込み女の子と目線をあわせた。

女の子はミィーに手を舐めさせている。


「このコのお名前は?」


「ミィーって言うんだよ」


そんなに会話をしているとカウンターの奥から


「いらっしゃい、食事かい?それとも宿泊?」


と言いながら三十歳前後と思われる女性が現れた。


「両方でお願いします」


「ママ、ネコちゃんかわいいよ」


「あら、本当にカワイイ子猫ね、貴方のコなの?」


「はい、大人しいコですけど、ネコと一緒はダメで  

 すか?」


「泊めるのは大丈夫よ、ただ他の人達と食事が一緒   

 の時は部屋でお留守させてね」


「ありがとうございます」


「泊まりは銅貨3枚、食事は朝は鉄貨5枚、昼と夜  

 はそれぞれ銅貨1枚よ、それでいいかしら?」


「それじゃあ、明日の夜までの食事も入れて銅貨

11枚と鉄貨5枚を払っておきます」


「確かに受け取ったわ、昼はランチのウサギのソテ

 ーとパンとタマネギスープよすぐに用意するわ」


「あっ、あとこのコにミルクを…」


「大丈夫よ、食事と一緒に用意するわ」


間もなく出された食事とミルクをミィーと一緒に

とった。女の子はミィーをずっと眺めていた。


「お嬢ちゃん、お名前は?僕はヒカリ」


「ミイシャ、5歳です!」


「よろしくね、ミイシャ」「うん!」


食事を終え部屋へ案内してもらおうと女性に声を

掛ける


「奥さん、部屋の案内をお願いします」


「わかったわ、私はミラノよ。よろしくね、そうい

 えば冒険者証を確認してなかったわ」


カードを手渡し宿泊手続きを終え部屋に案内して

もらう。

そこは6畳位の広さにシングルベットと机に椅子、小さなクローゼットがあるシンプルな部屋だった。

しばらくはこの部屋で頑張ってみるか。


今日の収支はゴブリンの魔石が8個とこん棒が5本で銀貨1枚と銅貨3枚だから……1日にゴブリンを10匹倒せば生活は余裕で出来るな。

だけど安全の為に武器や防具も良くしたいから

1日に15から20匹を目標に1週間頑張って

みよう。

その後はまた考えればいい。


ベットに横になって考えてるとお腹の上ではミィーが気持ち良さそうに昼寝をしていた。

それにつられて僕も……


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