第5話 冒険者ギルド
意気揚々と冒険者ギルドの前までやって来た。
何だか緊張する。よし、深呼吸だ。子猫のミィーも緊張しているようだ。
恐る恐る中へと入ると、お昼すぎで出払ったのか
人はまばらだった。正面には受付のお姉さんが2人見える。1人はポニーテールの可愛い感じの女の子で、もう1人は金髪のセミロング、目元のホクロが
色っぽいお姉さんだった。
さて問題です、僕はどちらの人に受付してもらうのでしょう?
…
…
…
正解は金髪のお姉さんでした。
だって中身は35歳のオッサンだから色っぽいのに
弱いんですよ。
「こんにちは、あの…冒険者の登録をしたいです」
「こんにちは坊や、じゃあこの用紙に必要事項を
書いてね、字は書ける?代筆も出来るわよ」
「ありがとうございます、字は書けます」
「わからない事があったら聞いてね」
え〜っと、名前を書いて、年令?この世界の僕は
何歳なんだ?
(フローラ様、フローラ様、私は今何歳ですか?)
…
…
(ヒカリさん、15歳にしておきましたよ)
(20歳も若くなってるし…有難う御座います)
(えへへ、サービスしといたのっ)
オチャメな女神様だなあ。
あとは…ん〜、職業は…剣士見習かな、出身は
どうしよう…、東京…、トキオでいいか。
「出来ました!」
いつの間にかミィーと遊んでいたお姉さんに用紙を
手渡す。
「ゴメンネ、あんまり可愛いからつい、遊んで」
「良かったね、ミィー」
「ミャー」
用紙に目を通したお姉さんは
「このトキオって初めて聞いたわ」
「かなり遠くなんですよ」
「そうなのね、あとは…、オッケーね」
「はいこれ、冒険者証よ。最初はブロンズから
スタートね。次はシルバー、ゴールド、プラチ
ナと上がって行くわ、頑張ってね」
「有難う御座います」そう言ってブロンズ色の
カードを受け取った。
「私はレオナ、これからよろしくね、ヒカリ君」
「はい、よろしくお願いしますレオナさん」
ペコリと頭を下げて帰ろうかと思ったが、
「あっ、この街に来る途中にゴブリンを倒したの
ですが、魔石やこん棒を引き取っては貰えません
か?」
「ここで出来るわよ、すぐ出せる?」
無限収納から何の気なしに取り出して置くと
「えっ?」と驚くレオナさん。
「今どこから…」
「ああ、収納が…う〜ん、アイテムボックスから
ですね」
「そんなに若いのに凄いわね」
(このコ超優良物件じゃないのっ!)
「じゃあ、まとめて換金でいいかしら?」
「お願いします」
「全部で銀貨1枚と銅貨3枚になるわ」
「はい確かに、それで宿の場所を教えて下さい」
「ええ、右隣りの建物がギルド経営の宿になって
いるわよ」
「有難う御座います、それじゃあ」
「あっ、ヒカリ君これからも私の所に来てね」
「…?、はい、わかりました」
レオナさんの思惑も知らずにヒカリはギルドを
あとにした。
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