2-2
「……そんなに見ないでくれ」
顔は
だというのにテネアリアは愛しそうに
だから何も言わずにユディングと並んでソファに座りながら、食事の用意が整うのをにこにこと待つ。
ツゥイは無表情で
用意が整ったところで、テネアリアはサンドイッチを一切れつまんでユディングの口元に持っていく。いくら食べやすい大きさにカットされていると言っても、一口で食べられる大きさではなかった。だというのに、無言のユディングはぱかりと口を開けて一口で食べてしまう。
サイネイトが呆れながら忠告した。
「久しぶりの固形物なんだから、ちゃんと
言葉の通り、ユディングの胃は久しぶりの固形物をなんなくその胃に収めた。
テネアリアが給仕をすれば、どんどん食事を進めていく。あまりに
「お前ね、もう少し幸せを味わって食べてもいいんじゃない? お可愛らしい妃殿下に手ずから食べさせてもらってるんだからさ」
「味なんてわかるわけがない」
サイネイトにすかさず答えたユディングの
「え、おいしくないですか?」
「石を食べさせられても気付かないと思う」
「ええ、なぜかしら?」
きょとんと首を傾げて見せたテネアリアに、サイネイトの
広いテーブルにセッティングされた皿は二人分。
先に食堂に着いたテネアリアは、期待に
だが給仕してくれる使用人一同の表情は
きっと彼はほとんどここを利用していないのだろう。
今まで
その点に関してはツゥイも不思議そうにしていた。
あの体格を
むしろ戦地にいる方がまだ体を動かすから食べているという話を聞いて、
だが彼は腹が空くという感覚がよくわからないらしい。食べなくても平気なので、食事は時間の
自分が来たからには、少なくとも毎日二食は食べてほしい。
できれば一緒に。
先ほどのお茶の時間を
差し出すとぱかっと口を開けて、もぐっと食べるユディングは本当に可愛かった。
口の中に食べ物があるからか、ほとんど文句も言わずにひたすら食べていた。別に文句を言われてもいい。あの重低音が耳元で聞けるなんて、それはそれで幸せだ。味がわからないと言っていたのは問題だけれど、ひとまず固形物を
あっという間にサンドイッチがなくなってしまったのは悲しかったが、もともと執務の合間の休憩に邪魔しただけなので、長居はできなかった。
だが、夕食なら時間はたっぷりある。
さすがに長いテーブルの
色々と想像してそわそわしていると、時計がボーンと鳴った。
夕食の始まりの時間だ。
けれど、彼が現れる気配はない。
しばらく待ったところでふうっと息を
お茶の時間の出来事の報告を受けている彼はゆっくりと首を横に振った。
何も聞いていないという意思表示だろう。
「様子を見てまいります」
テネアリアの意図を
けれど数分も
「妃殿下に陛下からの言付けを申し上げます。本日も先に召し上がっておられるように、とのことです」
「……そう。陛下は今、何か立て込んでらっしゃるのかしら?」
「
「……そおうぅ……っ」
がたんと音を立てて立ち上がり、テネアリアはキッとセネットを
びゅうっと
「準備なさい、今すぐに向かいますわ」
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