第17話 OLさんと「あの人」#2

今の真奈津は彼氏とかはあんまり欲しくなかった。入社そうそう上司に色々誘われたきたけど一通り断ってきた。

「自分のせがれのこと」や「親戚に少し婚期を逃したけど、いい人がいる」などすべての婚談や合コンの話は断ってきたし、今後も断るつもりでいる。


昔からそうだったし、元彼の別れたからもっと確信した。「自分には恋愛とか結婚とか向いてない」とあんな面倒くさいことはしないで生きていきたいと思っているし心を決めたのだ。もちろん元からこうだった訳ではなかった。中学生のときから、そこそこモテた時期もあった。でもほとんどごめんと断ったりしてきた。別に真奈津の理想が高いからでも鼻が高いからでも、悪女みたいに男の気持を持って遊ぼうと思ったからでもなかった。ただ極端の面倒くさがりやだったからだ。それとプラス、自分の親のことをずっと見てきたからだった。


家庭の事情は家庭それぞれ、夫婦の事情は夫婦それぞれだ。真奈津の両親は真奈津から見るとそこまで仲がいいわかでもなく喧嘩が多かった覚えがある。その親の姿を幼いころからずっと見てきた真奈津に結婚にイメージがいいわけがなかったのだ。


とにかく親のことは伏せておいて上司や親戚たちにもなんとなく「面倒くさいから」とごまかしてきた。けどそれだけでは中々納得してもらえない気がすと時もある。けれど、仕方ない、これ以上恋愛とか結婚とかしたくない理由を一々のべるのはもっといやだから、こっちの方がいいから仕方なく何か誘われる度断りつづけれれば問題ないと思っている。


それで実はもう一つ真奈津には他人には言えないことがある。これは親友の中でもごく一部の人にしか言ってないことで、その親友の一人とは今もときどき会っている。その親友も真奈津のつらい過去の経験を知っているから、真奈津の恋愛や結婚のことはできるだけ触れないようにしてくれている言い友達だ。


昔、ストーカー紛いなことに巻き込まれたことがあった。

大学2年生の冬、学期が終わり年末年始気分で友達の一人の誕生日パーティが開かれたことがあった。秋学期中、期末テストの最中に誕生日を控えている友達だった。なのでテストに集中しなければない理由で友達みんな我慢してきた。それでその友達以外に年末に誕生日の人がいなかったこともあり、友達の年末パーティを一緒にすることにしたのだ。だからずっと我慢して押さえていた気分を一気に吹き出そうとした。それでそのパーティの後友達と2人だけで2次会に行った。昼間から集まってわいわいしてきたせいか、夕方にあり日が早く落ち始めたころなんとなく早く帰りたい人も出たし、真奈津からわざわざそう雰囲気をだして仕向けたこともあった。その日の真奈津はなんとなくそうしたかった。それでその日に事件が起きた。当時の一番の親友と真奈津は2人きり飲みに行きたくなった。その友達には彼氏もいて、2人だけ抜けるのは申しわけないと思っていたが、友達の彼氏は快く許してくれた素敵な人だった。その彼氏が真奈津の計画に乗ってくれて成功したのもあった。その素敵な彼と付き合っている友達との楽しい2次会、久しぶりに訪れた居酒屋での女子会は盛り上がったし楽しかった。それがだめだったのだ。


いやダメっというより油断してしまったのだ。

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