第10話 カフェのバイトさんと「あの人」#10

このゲーセンも小さい頃からよく行ってた場所だ。今日も平日なのに中には人がいっぱいだ「あの人」がどこにいるのか見ようとしても見えないほどだ。それをじれったいと思い、おもいっきりゲーセンの中に入ってみようと思った。ゲーセンの自動ドーアの前に立ってドアが開らくのを待ってる時間をながく感じる。もし「あの人」に見られたらどうしようとどきどきしながらゲーセンの自動ドーアが開らくのを待っていた。それでゲーセンのドーアが開らいた瞬間少し深呼吸をしてみてから中に入った。


明美は他の客みたいにいとも自然にただ遊びに来たという雰囲気を出そうと頑張った。他の客たちがガチャやゲームをやってるのを見物しながら自分もしたいという雰囲気をだそうとした。そうしながら「あの人」はどこにいるのか気になりはじめた。このゲーセンは3階まであり1階はそれほど大きくない。なので今明美がいる1階に「あの人」が見当たらないってことはたぶん「あの人」は上の階にいるはず。それを追って上がろうと思ったが、階段を上っていく途中でもし「あの人」と鉢合わせしてしまったら気まずくなる。そんなことが起らないなくても自分がしようとする行為は本当にストーカー紛いなことだと思われて、諦めることにした。ただもう少し、この1階だけを見回ってみようかなと思った。


明美は他の客みたいにいとも自然にただ遊びに来たという雰囲気を出そうと頑張った。他の客たちがガチャやゲームをやってるのを見物しながら自分もしたいという雰囲気をだそうとした。


1階には同じ地元の大学生らしき人たちや外国人カップルらしき人たちがたくさん見えた。みんなカップル同士で楽しくガチャやゲームをやってるのを見たら、彼氏の田中君のことを思いだす。田中君と付き合ってからあまりこういう時間つぶし的なことはあんまりしたことがない。実をいうと彼氏に何回か誘われたことはあった。ただもともと出無精なとこもあり、お金のムダだと思い断った。ただ行きたくなかったからだ。それで彼氏本人もこのようなゲーセン以外にあまりどこを行こうと誘ったことがなかった。なので、明美は彼氏も自分みたいに出無精で外出しなくても平気な人と思い込んでしまったかもしれない。それを今振り替えてみるとそう思い込んでいてなんにもしてこなかったのはダメだった。と改めて思う。


カップルには付き合いの中、食べ物や洗濯物、相容れようとしてもできないこだわりの違いでなどで口論したり喧嘩したり、別れの危機経験していく。それを解決するかがうまい恋愛しかたともいえる。しかし非常にむずかしいのだ。その危機をうまく乗り越えるには様々なコツが必要だし、一時的に別れる危機を乗り越えたとしても一度できた溝はなかなか埋まらない。

なのでその溝を埋め合わせてくれるのが新しい関係を築き方かも知れない。カップル同士のイベントや旅行などかも知れない。いくらカップル同士がお互いに信じあっていてもそれを確信したくなる時がある。旅行に誘ってみて一緒に計画立てて無事帰って来るまでの一連の行為がそれかも知れない。それで愛が深まり信頼が深まる。親友の桜ちゃんカップルの場合は結婚話かも知れない。


それでその溝の埋め合わせがうまくできなかった自分のせいで彼氏の田中君に飽きられたあげて「別れてほしい」みたいな別れ話を聞かれたのかもしれない。

「わたしは恋愛にむいてないかも」と自分をせめてまでしまいそうだった。

それでまたカップル同士で楽しくガチャやゲームをやってるのを見てふと思った「あの人」も今日このゲーセンで誰かわたしよりステキな人と戯れ合いながら楽しくお互いの気持を確信するかなと。そう思った瞬間虚しい感情が明美の胸の奥から湧きではじめた。それを感じたとたん明美は「わたしなにやってるんだろ」「今してることになんの意味もない」など自分の惨めさを感じはじめようとし、ゲーセンを後にして外に出ると心を決めた。

そうしようと決めて、すぐさまゲーセンを出でとだとだ歩きだしはじめた。そしてこのゲーセンの前に立っていた「あの人」の姿を見掛けた時点へ着き、少しそこでぼうっと立ったままだった。


明美はそう突っ立てながら思った。この繁華街は昔から外国人にもよく訪れる場所だ。外国人留学生や学校などで英語を教える仕事をしている人などだ。それで一つ以外に思ってたのがインドやベトナムから国籍者みたいな人も多数見掛けるってことだ。その点が明美は好きだった。今は明美は地元でも外国人観光客がたくさん訪れていて、外国人を見ることが当たり前なことになった時代だ。しかし、明美が小さい時は地元を歩きまわっている外国人の姿が珍しかったので、この繁華街で外国人をみかける度、「この繁華街は特別な場所」「秘密基地やアジト」と明美勝手に信じ込んでしまった。それのせいで他の人はどう思うにせよ、明美にとってこの繁華街は一生の思いでの場として思いつづけたいと思っている。その場所が明美はいやになる気分だった。自分のせいで自分の好きな場所が嫌いになろうとするのは変だ。それを避けたくてゲーセンから出たのだ。そして他の方向へむかおうとしながらただスマホを確認しよとしたとこ明美の左肩を誰かにぽんぽんとされる感覚があってなんだろうと思いながら普通に振り返ってみてはっと息が止るようになった。明美の目の前に「あの人」左手で明美の左肩をたたきかけたままの姿勢で明美のことをみていた。それで明美だと確認したかのように微笑みを込めた顔で明美を見つめてきた。その「あの人」の目と自分の目が合ったとき、明美はすぐは誰なのか認識できなかったけどまもなく「あの人」認識しはじめたからは顔が真っ赤になる感覚と胸がときどき鼓動を感じはじめた。


「ヤバい」と無音の叫びが明美の耳に聞こえる気がした。

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