第9話 カフェのバイトさんと「あの人」#9

明美はとまどっている。なぜよりによって今なのか、このタイミングなのかと戸惑ってしまう。「あの人」に見られないよう「あの人」がいる反対側に顔を向いてみないふりをした。何秒間よそをみているふりをしてまた「あの人」がいる方向をちらっと横目で見てみた。さいわい「あの人」は明美のことに気づいてないみたいた。少し路地裏に入っている。


その路地裏は少し奥にある。ご飯やさんは アクセサリ屋さん、ゲーセンなどがずらっと並んでいる場所だ。そこで「あの人」が立っている。横目でみるかぎり「あの人」はゲーセンの前にいる。何をしているのか、何かガチャでみしてるのか。誰との待ち合わせで待っているのか。など気になりはじめた。その瞬間、「あの人」がゲーセンの中に入ろうとするのが見えた。sれでまたはっとした。「ダメ消えてしまわないで」と後程、当時のことを、思いで話みたいに過去のことを思い出したとき何故こう思ったのか明美自分でもおかしいと思われることが

今はそう思う他なにもなかった。それで今「ダメ消えてしまわないで」と「あの人」に叫んでるかのように心の中でいってみた。


明美は慌てて「あの人」が入ったゲーセンの建物に駆け付ける感じで入ろうとした。自分でも不思議かつ変と思われるも、何となく楽しい経験と思いはじめる自分のことに少し以外と思った。何故なら明美の人生でこんなことは一度もしたことないからだ。


今彼、または元彼とも言える田中君と付き合ってる時も普通の友達感覚で付き合ってたしドキドキ感よりは安定感の方が多きかった。明美はそれが好きだった。それがいけなかったのか、それで田中君が私に飽きられてわかれようとしたのか、自分のことを悪いと思ったこともあり、今も「あの人」の後をついていくこの瞬間も一瞬同じことを考えた。


明美が「あの人」をみかけた場所からゲーセンの入り口まではそんなに遠くない。歩く速度が遅い明美にも20秒にもかからない距離だった。その距離をまさに急いで走って行くような感じで来たせいか、少し息が上がっているのを感じた明美だった。

それでこっそり「あの人」が入った場所を確認しようとした。普段こういう行動はいわゆるストーカー行為に当てはまるのかと心配になったけど、知り合いだしいいじゃいと思う自分の図々しさに驚いた。「あの人」の存在が明美にはじめて大きい存在になる瞬間だったからだ。


冷え込んでいる今日の夕方、「あの人」はコートを来ていた。少し厚めの真っ赤なコート。今の流行り色ではないと思われるも普段の「あの人」は自分なりのスタイルがあった着こなし方も悪くなかった。なので今「あの人」が来ているコートも結構似合っていると思った。その「あの人」コートはたぶん以前「あの人」うちのカフェに通いはじめた頃一回だけ見たことがあると思い出した。当時はなんにも思わなかったのが今は似合うとかステキとか思ってしまうのを変だと思った。人の心の中に誰かのそんざいが大きくなるとそうなってしまうのかそれが私に、田中君にしてあげられなかったことなのかも考えさせられた。「あの人」はほんと不思議だ。


これはまるで「あの人」がそう仕掛けた魔法かなそれとも明美自信が「あの人」のことを好きになりはじめて回りの関係を整理したいと思いなにか言い訳を探ろうとしるかなのかわかろうとしてもわからない。それを知りたいが故「あの人」の後をついてしまうかも知れない。と明美は自分を納得させた。

人の後をついていくことはよくないことだと認識しながら。



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