第6話
「ウソなんですよ」
動画を止めると、
「
「えっ?」
「江金さん、言ってたんですよ。どうにかして
「うそ、そんな、先輩……」
「俺、警察にこの動画提出します。戸田さんも、ちゃんと話してくださいね、本当のこと」
座り込んだままの杏をその場に残し、川一は劇団員たちの所へと戻って行く。
「先輩なんかより、私の方がよっぽど合ってたじゃないですか。【地に堕ちた天使】って」
追いかけても追いかけても、届かなかった清美の背中。
伸ばせば届いたはずなのに、届かなかった清美の背中。
もう、追いかけることもできない、背中。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
清美という存在を失って初めて、杏の目から涙が零れ落ちた。
【終】
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