ティッシュー

もちっぱち

おお紙よ!


病院の待合室にて

待っていると

マスクの下で

鼻水がさらりさらりと

流れてくる。


「鼻水が出た…。」



「車から持ってくる?

 ティッシュ。」


 夫が言う。


「止まらない、大変だ。

 バックの中探してみる。」


 私はバックの中をゴソゴソと

 探した。


 いつ貰ったか分からない

 広告が入ったガサガサのティッシュ。

 奇跡だ! 

 神だ!

 いや、紙だ!

 ティッシュだ。


 もうこの際、ガサガサで

 鼻が赤くなろうが 

 構わない。


 思う存分、鼻をかもう。



 鼻の下に垂れる鼻水を

 拭うことが

 できて

 幸せを感じた。


(あースッキリした。)



 ガサガサの広告紙入りのティッシュでも

 役に立つ。


 よく見ると

 郵便局の保険の案内だった。

 年賀状を買った時に

 貰ったティッシュが

 今ここでかなり役に立つ。


 最高だった。


 10分ほど待って

 また第2波の鼻水が

 さらりさらりと

 落ちてくる。


 息を吸って戻るものではない。

 もはや手遅れなのだ。


 だめだ、さっきのティッシュは

 全部使い切った。


「また鼻水が出て来た…。」


「なんだ、早く言えば持って来たのに

 俺、財布取りに行ってたから。」


 もうすぐ診察で呼ばれるかどうかだった。


「ちょっとトイレットペーパーで

 鼻をかんでくる。」


 私は究極な時だと

 トイレに駆け込んだ。

 さっきのティッシュより

 柔らかくてふわふわな

 トイレットペーパーだった。


 また鼻を拭って幸せな気持ちになる。


 日本人って本当紙一つに

 綺麗なもの使ってるんだなと

 改めて紙のありがたさを知る。



 本当は紙の使い方

 間違っているだけども、

 ティッシュは常に多めに

 持ち歩くべきと

 思った瞬間でした。







 

 

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ティッシュー もちっぱち @mochippachi

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